昔の福州の女性は髪に「武器」を挿していた!?注目集める髪飾りの「三把刀」

人民網日本語版 2024年08月06日10:42

福建省福州市の昔ながらの町並みが残る観光スポット「三坊七巷」に足を運ぶと、伝統的な漢服を身にまとい、髪には「三把刀」と呼ばれる3本の短剣のような簪を挿した女性たちが優雅に歩き、観光客の注目の的となっていた。人民網が報じた。

「三把刀」で髪を飾った女性(撮影・焦艷)。

「三把刀」で髪を飾った女性(撮影・焦艶)。

福州市の「三坊七巷」を歩き、注目を集める「三把刀」で髪を飾った女性たち(撮影・焦艷)。

福州市の「三坊七巷」を歩き、注目を集める「三把刀」で髪を飾った女性たち(撮影・焦艶)。

3本の銀の簪は平たく、剣のような形をしている。表面には花の模様が刻まれ、メインとなる簪は下向けに、他の2本の簪は交差させて、右と左に向けて髪に挿し、独特かつ実用的で素敵な雰囲気を演出している。これは、作家・氷心の作品「故郷的風采」で取り上げられていた福州市の女性の伝統的な髪飾り「三把刀」で、「三条簪」とも呼ばれている。過去の激動の時代、福州市の女性は、「三把刀」を「武器」として髪に挿し、護身用として敵から身を守ったり、作業に使ったりしていたという言い伝えがある。その後「3本」は、国、家、自分のために挿す簪へと変化したと言われている。

この「武器」を髪に挿す装いは、強さと優しさを兼ね備え、勇気があり、自立していた古代の福州市の女性の美しさを見事に表現している。

福州一帯で流行していた「三把刀」は、歴史的な理由で一時は禁止され、同地域ならではのそのスタイルは少しずつ人々の記憶から消えていった。しかし、最近になり、漢服専門のメイクアップアーティスト・黄秋輝さん率いるチームが研究を重ねてそれを再現。「福州伝統のメイクアップ技術」が鼓楼区の第7陣の無形文化遺産項目に認定され、「三把刀」が再び日の目を見るようになった。

漢服専門のメイクアップアーティスト・黄秋輝さん率いるチームが再現に成功した「三把刀」を使ったメイクアップ(撮影・焦艷)。

漢服専門のメイクアップアーティスト・黄秋輝さん率いるチームが再現に成功した「三把刀」を使ったメイクアップ(撮影・焦艶)。

メイクアップに若者に人気の「国潮」の要素を取り入れている漢服専門のメイクアップアーティスト・黄秋輝さんたち(撮影・焦艷)。

メイクアップに若者に人気の「国潮」の要素を取り入れている(撮影・焦艶)。

ネットユーザーから、「素敵でかっこいい」と絶賛されている「三把刀」を使ったメイクアップは、瞬く間に話題となった。「無形文化遺産に指定されたことはゴールではない」と話す黄さん率いるチームは現在、「三把刀」を使ったメイクアップの奥深い文化をさらに引き出し、メイクアップのプロセスをマニュアル化し、若者に人気の中国伝統の要素も取り入れ、「三把刀」を現代の生活や文化観光に融合させることに取り組んでいる。「いつの日か、『福州』というと、人々が『三把刀』を連想し、美しくありつつもか弱さのない、凛とした福州の女性を思い浮かべるような日が来ることを願っている」と黄さんは話した。

「三把刀」を使ったメイクアップを施す漢服専門のメイクアップアーティスト・黄秋輝さん(撮影・焦艷)。

「三把刀」を使ったメイクアップを施す漢服専門のメイクアップアーティスト・黄秋輝さん(撮影・焦艶)。

チームがアレンジしたよりカラフルな髪飾り(撮影・焦艷)。

チームがアレンジしたよりカラフルな髪飾り(撮影・焦艶)。

(編集KN)

「人民網日本語版」2024年8月6日

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