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「放射」の版間の差分

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草取り
アンテナからの電波の放射
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かつては'''輻射'''(ふくしゃ)と呼ばれていたが、[[太平洋戦争]]後の[[当用漢字]]表に「輻」の字が含まれなかったため、呼称が変更された。なお、「輻」は現在の[[常用漢字]]にも含まれていない。
かつては'''輻射'''(ふくしゃ)と呼ばれていたが、[[太平洋戦争]]後の[[当用漢字]]表に「輻」の字が含まれなかったため、呼称が変更された。なお、「輻」は現在の[[常用漢字]]にも含まれていない。


== 発生原理 ==
== 種類 ==
=== 熱放射 ===
=== 熱放射 ===
{{Main|熱放射}}
{{Main|熱放射}}
あらゆる物体は、自身の持つ熱を電磁波として放射し続けている。太陽光が届かない宇宙空間において、熱源の無い宇宙探査機や人工衛星が極端に冷えてしまうのはこのためである。熱放射は、常温では非常に弱く、ほとんど目には見えないが、物体の温度が高くなるにつれて強くなる。高温に熱した物体が光って見えるのはこのためである。[[ブラックホール]]からの熱放射は[[ホーキング放射]]という。
あらゆる物体は、自身の持つ熱を電磁波として放射し続けている。太陽光が届かない宇宙空間において、熱源の無い宇宙探査機や人工衛星が極端に冷えてしまうのはこのためである。熱放射は、常温では非常に弱く、ほとんど目には見えないが、物体の温度が高くなるにつれて強くなる。高温に熱した物体が光って見えるのはこのためである。[[ブラックホール]]からの熱放射は[[ホーキング放射]]という。

=== 電磁放射 ===
{{Main|電磁波}}
[[無線通信]]においては、[[アンテナ]]に対して高周波の電気信号を入力し、それにより放射される[[電波]]を利用して通信を行う。

また、[[荷電粒子]]線に[[磁場]]をかけて曲げると電磁波([[X線]])が放出される(制動放射)。 粒子線が高速のときは電磁波が前方にまとまった光([[放射光]])として[[観測]]される。
=== 放射性物質 ===
=== 放射性物質 ===
[[ウラン]]や[[プルトニウム]]のような[[放射性物質]](原因となる原子単体では[[放射性同位体|放射性核種]])は、原子核が崩壊するときに[[放射線]]を出す([[放射能]])。
[[ウラン]]や[[プルトニウム]]のような[[放射性物質]](原因となる原子単体では[[放射性同位体|放射性核種]])は、原子核が崩壊するときに[[放射線]]を出す([[放射能]])。
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*[[電界放出|'''高電界放射'''または'''電界電子放出''']]({{lang-en-short|high voltage emission<ref name="hikkei" />, field emission|links=no}})
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*:物質表面にかかる強い[[電界]]により電子が外部へ放出される。
*:物質表面にかかる強い[[電界]]により電子が外部へ放出される。

=== 電磁放射 ===
{{Main|電磁波}}
[[荷電粒子]]線に[[磁場]]をかけて曲げると電磁波([[X線]])が放出される(制動放射)。 粒子線が高速のときは電磁波が前方にまとまった光([[放射光]])として[[観測]]される。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2020年1月29日 (水) 11:25時点における版

放射(ほうしゃ、: radiation)は、粒子線アルファ線ベータ線など)や電磁波(光など)、重力波などが放出されること、または放出されたそのものをいう。

名称

かつては輻射(ふくしゃ)と呼ばれていたが、太平洋戦争後の当用漢字表に「輻」の字が含まれなかったため、呼称が変更された。なお、「輻」は現在の常用漢字にも含まれていない。

種類

熱放射

あらゆる物体は、自身の持つ熱を電磁波として放射し続けている。太陽光が届かない宇宙空間において、熱源の無い宇宙探査機や人工衛星が極端に冷えてしまうのはこのためである。熱放射は、常温では非常に弱く、ほとんど目には見えないが、物体の温度が高くなるにつれて強くなる。高温に熱した物体が光って見えるのはこのためである。ブラックホールからの熱放射はホーキング放射という。

電磁放射

無線通信においては、アンテナに対して高周波の電気信号を入力し、それにより放射される電波を利用して通信を行う。

また、荷電粒子線に磁場をかけて曲げると電磁波(X線)が放出される(制動放射)。 粒子線が高速のときは電磁波が前方にまとまった光(放射光)として観測される。

放射性物質

ウランプルトニウムのような放射性物質(原因となる原子単体では放射性核種)は、原子核が崩壊するときに放射線を出す(放射能)。

励起・叩き出し・強電界

電子放射または電子放出(英: electron emission[1]

脚注

  1. ^ a b c d e 谷村功 編(日本語)『無線工学必携』(初版)三省堂出版、東京都千代田区神田神保町1-1、1956年1月25日、pp.86-95頁。 

関連項目