米パラマウントとスカイダンス、合併で合意 一時ソニーも関心

[8日 ロイター] - 米メディア大手パラマウント・グローバル(PARA.O), opens new tabと米映画製作会社スカイダンス・メディアは7日、合併で合意したことを発表した。
パラマウントはパラマウント・ピクチャーズとともに、CBSやケーブル局のMTVやニコロデオンなどを傘下に持つ巨大メディア企業だが、テレビ事業の不振などで2019年以来企業価値が170億ドル近く落ち込んでいた。
合併は2段階で進める。まずスカイダンスがレッドストーン一族の持ち株会社でパラマウントの77%の議決権を有するナショナル・アミューズメンツを現金24億ドルで買収、その上でパラマウントと合併する。パラマウントの株主に現金か株式で45億ドル支払い、パラマウントのバランスシートに15億ドル注入する。
オラクル(ORCL.N), opens new tabの共同創業者ラリー・エリソン氏の息子でスカイダンス創業者のデービッド・エリソン氏が新生パラマウントの会長兼最高経営責任者(CEO)に就く。新社長にはNBCユニバーサルの元CEOジェフ・シェル氏が就任する。
デービッド氏は8日のアナリスト説明会で、目標は新生パラマウントを「進化する市場の需要に対応できるテックハイブリッド」として位置づけることだと述べた。
パラマウントが同日公表した資料によると、合併によるコスト削減はランレート(直近の実績が継続すると仮定した数字)で20億ドルで、その半分は初年度に見込む。再編・統合費用は16億ドルに達する見通し。25年売上高は326億ドル、27年売上高は2%増の335億ドルと想定している。
<曲折の交渉>
今回の合併交渉は数カ月におよび、先月11日にはレッドストーン氏が交渉打ち切りを宣言した。
当時スカイダンスとパートナーはナショナル・アミューズメンツの買収で合意していた。しかし、ナショナルアミューズメンツがレッドストーン一族以外の大多数の株主による買収の承認を求めたことなどにスカイダンスが反発し交渉が行き詰まった。
こうした中、ナショナル・アミューズメンツの買収に名乗りを上げる向きも出てきた。ソニーグループ(6758.T), opens new tab傘下の映画会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントと米プライベートエクイティ(PE)アポロ・グローバル・マネジメント(APO.N), opens new tabも関心を示していたとされる。
しかしスカイダンスのエリソン氏とパラマウントの支配株主でもあるシャリ・レッドストーン会長は新たな条件について水面下で協議を再開させた。
今回の合意は、パラマウントに対し、より良い条件の買収提案が提示される場合も想定して45日間の猶予期間が設定されている。

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