アジア株式市場サマリー:引け(17日)

東南アジア株式相場はまちまちだった。
クアラルンプール市場は幅広い銘柄に買いが入り、一時3年超ぶりの高値を付けた。
インドネシア中央銀行は大方の予想通り主要政策金利を6.25%に据え置いた。現在の金利水準は、インフレ抑制と自国通貨の管理に向けた取り組みと整合的だと説明した。 もっと見る
中国株式市場は勢いを欠き、主要株価指数は狭いレンジで推移した。香港株はほぼ横ばい。18日まで開催される中国共産党の重要会議、第20期中央委員会第3回総会(3中総会)で発表される政策に注目が集まっている。
企業や消費者の心理が低迷しており3中総会は信頼感を高めることを目指すとみられる。しかし成長促進と債務削減といった相反する目標が掲げられ、改革の実施に向けた進展はほとんどない可能性がある。
ソウル株式相場は3営業日ぶりに反落した。半導体、電池メーカー株が下落を主導。11月の米大統領選でトランプ前大統領が返り咲いた際の影響が重荷になった。
現職のバイデン大統領と比べ、トランプ氏は電気自動車(EV)への移行など環境保護政策に消極的とみられている。
半導体大手サムスン電子は1.14%安、同業SKハイニックスは5.36%安。ファウンドリー(半導体受託製造)世界最大手TSMC(台湾積体電路製造)株の下落に追随した。
トランプ氏がインタビューで、台湾は米国に何も与えておらず、防衛費を払うべきだと主張したのを受け、TSMC株が売られた。
NH投資証券のアナリストは「TSMCに対するトランプ氏のネガティブな発言で、韓国の半導体メーカーに影響が波及しかねないとの懸念が高まった」と述べた。
電池メーカーのLGエナジー・ソリューションは2.89%安、同業サムスンSDIは1.11%安。 SKイノベーションは5.65%高。市場では、SKグループによる電池事業の財務悪化軽減に向けた事業改に注目が集まっている。
シドニー株式相場は反発し過去最高値を更新した。銀行株がけん引した。
S&P/ASX200指数は前日終値比0.7%高の8057.90で終了。今週に8000の大台を突破しており、直近5営業日で4日上昇している。
UBSのアナリストはリポートで「地合いや騰勢が株高に拍車を掛けている。株については引き続きポジティブに見ているが、8月にかけて企業決算が予定されており、年末に8000の予想を維持している」と指摘した。
銀行株指数は1%高と7営業日続伸。連続で史上最高値を塗り替えた。四大銀行は0.7〜1.1%高。
不動産株指数は1.5%上昇し、3月28日以来の高値を付けた。
産金株指数は1.8%高。過去最高値を記録した金相場を好感した。一時は4%上昇し、2020年11月以来の高値水準に乗せた。
鉱業株指数は鉄鉱石相場安につられ、0.3%安。鉄鉱石の年間生産量が過去最高だったと発表したBHPグループは0.8%下落した。 もっと見る

LSEGデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります ※シドニー市場 ソウル市場 アジア新興国市場

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