アジア株式市場サマリー:引け(16日)

中国株式市場は上昇。ハイテク株が主導した。投資家は18日まで開催される中国共産党の重要会議、第20期中央委員会第3回総会(3中総会)に注目している。香港株式市場は値下がりした。
中国国家統計局が15日発表した第2・四半期(4─6月)国内総生産(GDP)は前年比4.7%増加で、第1・四半期(5.3%増)から鈍化し2023年第1・四半期以来の低成長となった。長引く不動産不況と雇用不安が内需を圧迫。当局は一段の景気テコ入れを迫られるとの見方が広がっている。 もっと見る
3中総会では先進製造業の促進、債務リスク抑制に向けた税制改革、不動産危機の管理、内需喚起、民間部門の再活性化といった課題を協議する見通し。詳細は18日に公表される可能性が高い。
中国平安保険の香港上場株(2318.HK), opens new tabが5.6%安。同社は転換社債で35億ドルを調達したと発表した。
シドニー株式市場は4営業日ぶりに反落して引けた。前日は終値ベースの史上最高値を更新していた。4ー6月期の鉄鉱石出荷がアナリスト予想を下回ったリオティントが鉱業株の下落を主導した。6月の豪雇用統計を控えた警戒感も広がった。
鉱業株指数は1.5%安。1週間超ぶりの大幅下落だった。リオティント(RIO.AX), opens new tabは2.5%安。一時は3月18日以来の安値を付けた。
同社が発表した西オーストラリア州ピルバラ地区の鉱山からの鉄鉱石出荷量は8030万トンと、事前予想(ビジブル・アルファ)の8210万トンを下回った。 もっと見る
市場参加者は豪中央銀行の金融政策の手掛かりとして、18日に発表される6月の雇用統計を待っている。
銀行株指数は6営業日続伸で0.1%高。産金株指数は0.2%高。一時は2020年11月17日以来の高値を付けた。
ソウル株式市場は主要半導体・自動車銘柄主導で続伸して引けた。トランプ前米大統領が11月の大統領選で勝利するとの見方から、昨日に続いて防衛関連株が上昇した。
未来アセット証券のアナリストは「市場はトランプ氏が勝つとみなして取引している」と指摘。金融とエネルギー関連が上昇する一方、再生可能エネルギーと中国関連の銘柄が下げたという。
半導体大手のサムスン電子は1.15%高。同業SKハイニックスは1.30%高。
輸送機器指数は業種別で最も値上がりし、1.96%高。現代自動車は2.23%高、傘下の起亜は2.42%高。
トランプ氏が大統領選に勝つとの予想が材料視され、防衛装備大手ハンファエアロスペースは1.70%高。やはり防衛関連のハンファシステムズは4.24%と大幅上伸、LIGネクスワンも2.57%高。
一方、電池メーカーのLGエナジー・ソリューションは3.35%安、同業サムスンSDIは4.64%安、米電池株安につれた。
IT大手は検索のネイバーが2.67%、メッセージアプリのカカオが2.39%、それぞれ下落して引けた。
中国へのエクスポージャーが大きいLGハウスホールド・アンド・ヘルスケアは3.39%安。
外国人投資家は1814億ウォン(約1億3100万ドル)相当の買い越し。

LSEGデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります ※シドニー市場 ソウル市場 アジア新興国市場

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