中国人民銀、資金調節機動的に 翌日物臨時オペ導入

中国人民銀、8日から市況に基づくレポ及びリバースレポ実施へ
中国人民銀行は、きょうから市況に基づくレポ及び・リバースレポを実施すると発表した。写真は北京の同行前で2018年9月撮影(2024年 ロイター/Jason Lee)
[北京 8日 ロイター] - 中国人民銀行は8日、銀行システムの流動性に応じて機動的に実施する翌日物の臨時資金調節オペ(公開市場操作)を導入すると発表した。国債市場が過熱感を帯びる中、オペの実効性を高め短期金融市場の流動性維持を図る。
市場から資金を吸収する「レポ」、資金を供給するリバースレポを実施する。金利はそれぞれ期間7日のリバースレポ金利を20ベーシスポイント(bp)下回る水準(1.6%)と、50bp上回る水準(2.3%)となる。
7日物のリバースレポは午前に実施しているが、翌日物オペは市場の流動性の状況に基づき必要に応じて午後に実施する。
市場参加者やアナリストは、7日物リバースレポ金利を中心とする新たな金利コリドーが形成され、銀行に流動性・金利を管理する余地を与えると指摘する。
OCBC銀行の金利ストラテジスト、フランシス・チュン氏は「翌日物オペが実施されれば、資金を吸収するレポの金利が下限金利として機能する可能性がある。定期的に実施すれば、市場金利を一定の範囲内に誘導する効果もある」と述べた。
人民銀の潘功勝総裁は先月、7日物リバースレポ金利が主要政策金利の機能を果たしていると指摘した。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の中国担当シニアストラテジスト、Xing Zhaopeng氏は、臨時オペが将来的に正式な政策手段になる可能性もあると指摘。1.6─2.3%が将来の金利コリドーになるとの見方を示した。
中信証券のチーフエコノミスト、ミン・ミン氏は、翌日物オペによって日中の資金調節手段が増え、市場流動性の安定化に役立つとした上で、「翌日物リバースレポはさほど頻繁に実施せず、月の中旬、月末、四半期末に実施する可能性がある」と述べた。
このところ資金が大量流入し急低下している国債の利回りは、人民銀の発表を受け30年債が2.5ベーシスポイント(bp)、10年債は約2bp上昇した。
UOB(中国)の国際金融市場部門ディレクター、Zhou Shilei氏は「市場参加者にとって、翌日物貸出金利と借入金利の非対称性は、(債券)市場を冷やすという明確な意図を持った市場への警告となるはずだ」と述べ、最初の臨時オペは資金吸収オペで今週にも実施されるかもしれないと指摘した。

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