チェコが韓国原発を採用、フランス敗れる

チェコが韓国原発を採用、フランス敗れる
 7月17日、チェコ政府は、ドコバニ原発の2基新設工事の業者選定入札で韓国の電力会社、韓国水力原子力発電(KHNP)を選択した。写真はチェコの原子力発電所。ドコバニで2011年3月撮影(2024 ロイター/Petr Josek)
[プラハ 17日 ロイター] - チェコ政府は17日、ドコバニ原発の2基新設工事の業者選定入札で韓国の電力会社、韓国水力原子力発電(KHNP)を選択した。フィアラ首相は記者会見で「全ての評価基準で優れており、テメリン原発の2基新設工事についても協議する」と述べた。
チェコは今後10年間で石炭火力発電を段階的に廃止し、原発依存度を現在の約3分の1から、2分の1に拡大する方針だ。政府によると、建設費見積額は1基当たりで現在2000億コルナ(86億5000万ドル) 。発電価格は1メガワット時(MWh)当たり90ユーロ未満になる可能性がある。契約の細部は来年の第1・四半期までにまとめられ、その後調印する見通しだ。
欧州唯一の原子炉建設会社であるフランス電力公社(EDF)も入札に参加し、マクロン大統領自らも売り込みに乗り出したものの敗退した。EDFはポーランドの原発建設入札でも米ウェスチングハウスに敗れたほか、着手済みのプロジェクトでは工事が遅延し、2019年以降新規原発を完工できていない。今回のチェコ入札での敗退は改めて厳しい状況を映し出した。
一方、KHNPはアラブ首長国連邦(UAE)でアラブ諸国で初めての原発建設を手がけ、稼働にこぎ着けるのを支援してきた。チェコでも選定されたことで欧州での新たな足掛かりを得ることになる。

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