アングル:米国株ファンドに資金流入、景気軟化と利下げ観測で

アングル:米国株ファンドに資金流入、景気軟化と利下げ観測で
 5日、投資家は7月3日までの週に米国株ファンドを買い越した。ニューヨーク証券取引所で2023年10月撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)
[5日 ロイター] - 投資家は7月3日までの週に米国株ファンドを買い越した。経済指標で景気の軟化が示された上、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言により利下げ観測が強まったことが背景。
LSEGのデータによると、この週に米国株ファンドには差し引きで86億2000万ドルの資金が流入した。前週は約162億ドルの純流入となっていた。
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製造業とサービス業に関する景気減速を示すリポートと、労働市場の需給の緩みを示す雇用に関する統計により、FRBが9月に金融緩和を開始するとの見方が強まった。
過去1週間でインフレの減速が示されたことも、投資意欲を強める要因となった。パウエル議長は2日、米国は「ディスインフレの道筋」に戻ったと指摘。これを受けて利下げ観測が強まった。
この週は特に、大型株ファンドに約84億6000万ドルが流入し、2週連続で買い越された。
様々な規模の銘柄に投資するマルチキャップ・ファンドには9億3200万ドルが流入したが、小型株ファンドは11億9000万ドル、中堅株ファンドは7億9100万ドルそれぞれ売り越された。
セクター別に投資する株式ファンドからは8億6800万ドルが流出。ハイテク株ファンドは5億7200万ドル、ヘルスケア株ファンドは5億3800万ドルそれぞれ売り越された。
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一方、米国の債券ファンドには約57億2000万ドルが流入、5週連続で買い越され、買い越し幅は過去3週間で最大だった。
米国の債券ファンドの中では、課税債券ファンドに28億7000万ドル、短期・中期投資適格級ファンドに22億9000万ドルがそれぞれ流入した。
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またマネー・マーケット・ファンド(MMF)には236億ドルが流入し、過去4週間で最大の買い越しとなった。

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