今日の株式見通し=反落、米株安や円高嫌気 急ピッチだった上昇の反動も

[東京 12日 ロイター] - きょうの東京株式市場で、日経平均株価は反落すると想定されている。米国市場でハイテク株安となったことを嫌気する動きが先行しそうだ。為替が円高に振れていることも、投資家心理の重しになりやすい。このところ急ピッチに上昇してきた反動で、利益確定売りが優勢になるとみられている。
日経平均の予想レンジは4万1400円─4万2000円。
指数への寄与度の高い半導体関連株やハイテク株を中心に売りが先行しそうだ。米国では物価指標でインフレの鈍化傾向が確認されたが、利益確定売りが強まってハイテク株比率の高いナスダック総合(.IXIC), opens new tabやフィラデルフィア半導体指数(SOX)が下落しており、投資家心理の重しになる。
米消費者物価指数(CPI)の発表を受けて長期金利が低下。銀行や保険といった金融株の逆風になり得る。ドル/円は円高方向に振れており、輸出関連株を中心に嫌気されそうだ。
昨晩のドル/円は一時157円に急落する場面があった。背景として為替介入の観測もあり「円安は株高の歯車の一つとなってきただけに、株式市場では引き続き警戒感が出やすい」(SBI証券の浅井一郎投資情報部次長)との声が聞かれる。
一方、足元でドル/円は159円台へと徐々に水準を戻してきている。「為替の動向次第では、株価は売り一巡後に下げ渋るかもしれない」(浅井氏)との見方もある。
米国で発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は前月比でマイナス0.1%と予想外に減少した。前月比マイナスは2020年5月以来約4年ぶり。ディスインフレが確実に軌道に戻ったと受け止められ、利下げ期待が高まった。
米国市場ではナスダックが大幅安となり、S&P総合500種(.SPX), opens new tabも下落した。ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabは小幅高で引けた。インフレ鈍化の兆しにもかかわらず大型株は売られた一方、利下げで中小企業の環境が改善するとの期待から中小型株に資金がシフトした。
きょうは国内でイオン(8267.T), opens new tabや良品計画(7453.T), opens new tabが決算を発表する。米国では6月卸売物価指数や7月ミシガン大消費者信頼感指数速報値の発表があるほか、シティグループ(C.N), opens new tabやJPモルガン・チェース(JPM.N), opens new tabなどの決算発表がある。

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