中国3中全会が閉幕、産業現代化や市場改革深化の方針 内需拡大へ

所得分配システムを改善、中国3中全会が決議採択
 中国共産党の重要会議である第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)は、所得分配システムを改善し、効果的に社会の安定を維持するとした決議を採択した。新華社が18日伝えた。写真は北京で2017年撮影(2024年 ロイター/Jason Lee)
[北京 18日 ロイター] - 中国共産党の重要会議である第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が18日閉幕、国内産業を現代化し、内需拡大や債務・不動産リスクの抑制を図るほか、金融・財政改革も推進する方針を表明した。
新華社が伝えた声明では、社会保障、医療、所得分配制度を改善し、土地制度の改革導入も明らかにした。
具体的にどう変更するかは明言していないが、「課題」は2029年までに完了するとしている。3中全会に提出された詳細な政策プランを説明した文書は数日中に公表される予定。
アナリストによると、今回の結果は、政策決定や中国が追求する経済成長モデルの転換ではなく、継続性を示していると指摘。ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミストは「マクロ政策に明確な変化のシグナルはない」と述べた。
メルカトル中国研究所のチーフエコノミストは、きょうの声明では「楽観的な解釈の余地はほとんどない。外資系企業や中産階級の懸念を和らげるような点は、明らかにリストの上位にはなく、やや意外だ」と述べた。
国営テレビは、習近平主席が党員の拍手を浴びながら会議に入っていく様子が映し出された。
声明では「国内経済で市場メカニズムの役割を強化し、より公正でダイナミックな市場環境を整備するとともに、資源配分の効率を最適化する」としている。従来は市場が経済で「決定的な役割」を果たすとしていた。
「市場に対する制約が解除される一方、市場の秩序をより良く維持し市場の失敗を是正するため、効果的な規制が確保される」とも表明。具体的な改革の内容には触れていないが、2029年までに「任務」を完了する必要があるとしている。
声明では「新たな質の生産力」の追求を改めて強調。これは習近平国家主席が昨年提唱したスローガンで、科学的な研究と進歩革新を通じて製造業を現代化し、新たな高成長時代を促進することを意味する。
「国内の状況に合わせて、新たな質の生産力を促進する制度・メカニズムを改良する」としている。
「内需を積極的に拡大する」意向も改めて示した。
高水準の社会主義市場経済システムを2035年までに完全に構築する目標も表明。財政・税制度、金融制度、土地制度の改革を深化する方針も示した。
所得分配システムを改善し、効果的に社会の安定を維持するとした決議も採択。決議には「公共経済を揺るぎなく強化・発展させ、一方で非公共経済の発展も奨励・支援・指導する」とも盛り込まれた。

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