米紙WSJ、香港記者協会主席の現地記者を解雇

米紙WSJ、香港記者協会主席の現地記者を解雇
香港記者協会(HKJA)の主席を務める鄭嘉如氏が17日、香港で記者会見し、記者として勤務していた米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に同日解雇されたと明らかにした。写真は香港で会見する鄭嘉如氏で17日撮影(2024年 ロイター/Tyrone Siu)
[香港 17日 ロイター] - 香港記者協会(HKJA)の主席を務める鄭嘉如氏が17日、香港で記者会見し、記者として勤務していた米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に同日解雇されたと明らかにした。
鄭氏は、WSJの上級編集者からHKJAとの関係を絶つとともに、報道の自由を主張しないよう要求されたが、要求を拒否したことを受けて解雇されたと説明した。
WSJの香港支局で自動車部門を担当していた鄭氏は、6月22日にHKJAの主席に選出された。香港では当時、当局の取り締まりにより記者が逮捕されたり、リベラル系メディアの拠点が閉鎖に追い込まれたりする状況下、報道機関に対する圧力が強まっていた。
鄭氏によると、同氏はHKJAの主席を決める協会内の選挙に立候補した際、英国在住の上司から立候補を撤回するよう命じられたが、同氏はこの命令を拒否。上司は17日に雇用契約を打ち切った際、リストラの一環だと説明した。
鄭氏は上司から、香港のような場所ではWSJの従業員は報道の自由を支持しているとみられるべきではないと言われた、と語った。
WSJの親会社であるダウ・ジョーンズの広報はロイターに、同社は17日に何件かの人事異動とリストラを決定したが、個別の事案にはコメントしないとした。ただ「WSJは香港および世界各地で報道の自由を強く支持してきた上、今後も支持し続ける」と述べた。
HKJAは声明で、WSJの決定に「失望するとともに憤慨した」と表明。HKJAに参加しないよう従業員に圧力をかけることで、WSJは「独立したジャーナリズムが存続する余地の縮小を加速するリスク」を冒していると非難した。
鄭氏は、今後もHKJAの主席を続けると明言。「私が直面する(失業)状態は一時的だ。私は報道の自由を守る責任は長期的なものであり、仕事や給料よりも重要だと考えている」と強調した。

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トムソン・ロイター

James Pomfret is a Special Correspondent for Reuters covering politics and policy in Asia, with a specialization on China, Hong Kong and Taiwan. A two-time Pulitzer finalist, his multimedia career has spanned print, radio, TV and photography. His reporting includes "The Revolt of Hong Kong" - an investigative series he helped lead that was a Pulitzer finalist for International Reporting in 2020, and a series on China's weaponization of the rule of law against its critics that won a 2023 SOPA award.

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Jessie Pang joined Reuters in 2019 after an internship. She covers Hong Kong with a focus on politics and general news.