上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0最後の最後が残念でならない
2024年3月14日に日本でレビュー済み
考えないこと、思考することのデメリットがわかりやすく書いてあった。著者もさまざまな自己探求の末にこのようなシンプルな答えに辿り着いたのだと推察する。多くの覚者が主張しているように“理性ではなく魂の声に従う”といった部分について、他のよりスピリチュアルな本よりも現実的に、複雑さを極力廃して書かれていたと思う。ただ、表紙や『考えないことの練習』というタイトルからすると神や宇宙というワードも普通に出てくるのでやや現実生活からかけ離れている印象もある。自分はそういった考え方には抵抗はないが、人によっては神秘主義的に感じ、伝えたいことが正しく伝わらない人もいるだろうと思った。
また、本文の最後にAmazonレビューを書いてほしい、という文章がある。それまでの雰囲気とガラリと変わり残念だった。著者の考えは素晴らしいと思ったし、この時代Amazonレビューは大きな発信力を持つとは思うが、そこはあえて著者として文にする必要があったのかと思う。多くの人にこの事実を知ってほしいという理由はあるだろうが“シンプルな真実をただ伝える”という超然としたスタンスから一気に俗物的な感じがしてしまった。たしかに、本というメディアにとって売上は切っても切れないものだが本当に意味のある本であれば、それこそ自然に任せ、泥水の泥が沈殿するように、自然とレビューも増え、読む人も増えるだろうと思う。その一点のみが気になった。最後の最後だっただけにそこだけが本当に残念に思う。
