上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0起業家のみならず、すべての人の役に立つ
2024年6月5日に日本でレビュー済み
著者の斉藤氏は、30年以上の起業経験を基にした具体的なメソッドを紹介しています。斉藤氏の目指すところは、個々の幸せの循環を生み出すこと。そのために、自分の強みや好きなことを活かし、小さく始めることの重要性を説いています。大規模なビジネスではなく、小さなアイデアを元に事業を始めることで、誰もが無理なく起業できる方法を体系的に解説しています。
特に印象的だったのは、「幸せ視点」で事業を考えるアプローチです。事業とは社会に役立つ商品やサービスを提供し、その対価としてお金を受け取ること。斉藤氏はこの視点から、自分が夢中になれることを見つけ、それを形にすることが大切だと述べています。アナロジー思考（類推思考）を用いて異なる物事に共通点を見出し、新しいアイデアを生み出す方法も具体的に示されています。
本書では、マンダラートを使用したアイデア発想法や、CPF（顧客課題フィット）、PSF（課題解決フィット）、PMF（製品市場フィット）の各ステップでの具体的な取り組み方が詳述されています。これにより、事業アイデアの発想から実践までの一連の流れをしっかりと学ぶことができます。
私は長く人事に従事していますが、人事の視点からも非常に有益な内容が盛り込まれています。従業員の強みや興味を活かし、幸せ視点での組織運営を推進することで、従業員のエンゲージメントを高め、組織全体の成長を促進する方法が紹介されています。
自己実現を追求しながら他者の幸せにも貢献できる事業をつくるための具体的なガイドラインです。斉藤氏の経験と知識が詰まったこのメソッドは、現代の起業環境において非常に有用なものであり、誰もが手軽に始められることを目指しています。読者が自分自身の可能性を最大限に引き出し、豊かで充実した人生を送るための道しるべとなるでしょう。
斉藤氏が強調する「小さく始めること」の価値を理解し、実践することで、読者は自分自身の夢を実現するための一歩を踏み出せることでしょう。起業を考えている方や、組織で働く方々にとっても、本書は大いに参考になると思います。
