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筋肉痛は必ずしも良いトレーニングの証拠じゃない? 筋トレ効果を正しく評価する方法

もしあなたが、痛みを感じるまでリフティングを続けているのなら、フィットネスのやり方を見直す必要があるかもしれません。

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レッグデー(脚の筋肉を重点的に鍛える日)の翌日は、歩くのも大変という人もいるでしょう。階段を上るのも、座ってから立ち上がるのも、筋肉痛で何をするにも困難といったように…。それは「素晴らしいトレーニングをした証拠だ」とほくそ笑んでいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

「No pain, no gain(痛みなくして得るものなし)」という考えに反するかもしれませんが、メンズヘルスのフィットネスディレクターであるエベネザー・サミュエル(C.S.C.S.)によれば、「一般に信じられているのとは反対に、身体の筋肉痛の程度は、トレーニングの効果を示すものではありません」ということ。

トレーニング後に感じる感覚はたいてい、遅発性筋肉痛と呼ばれる現象です。運動すると筋線維に小さな微小な損傷が生じますが、これは全く正常なことであり、筋肉がより大きく、より強く再生する仕組みであることがわかっています。しかしながらこれらの微小な損傷は、炎症を引き起こし、さらなる痛みを引き起こす可能性があるのです。

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これまでの人生のほとんどを、翌日に感じる痛みのレベルで自身のワークアウトを評価していた人もいるかもしれません。ですが…。ここでサミュエルは、筋肉痛がジムでのセッションがうまくいったかどうか? を示すものではない理由、そして、代わりとなる真の目標とすべきものについて語ります

筋肉の痛みは、良いワークアウトをした証拠でしょうか?

肩を押さえる男性
Staras//Getty Images

筋肉痛はフィットネスにつきものです。しかし大切なのは、トレーニング後に感じる筋肉の火照りと関節の痛みとの違いです。関節が痛む場合、それはより深刻な問題を示している可能性があり、医師や理学療法士に相談する必要があるでしょう。

一方、筋肉痛は筋力トレーニングをすると自然に起こるものです。ただし、その痛みを追い求めることは注意が必要となります。

「筋肉痛にはトレーニングの目的が現れ、非常に価値がありますが、実際のトレーニング効果を測る指標としては不十分です」と、サミュエル氏は説明します。筋肉の痛みに賢く対処する理由は次のとおりです。

ジムで休憩している男性
VioletaStoimenova//Getty Images

筋肉痛に無理に耐えようとすることは、オーバートレーニングにつながるおそれがあります

毎回のトレーニングで、必ず筋肉痛を感じることを目指しているのであれば、それはオーバートレーニングに陥る可能性があります。身体が運動に慣れるにつれて、筋肉痛を感じる閾値(いきち)が上がるため、ますます多くのトレーニングをしなければ…と躍起になってしまう人も少なくないからです。

◇筋肉痛はフォームの乱れを引き起こす可能性があります

問題点として、第一に上げるべきはこちら。筋肉痛がひどいと、特定の動きで痛みを感じることがあります。その結果、痛みを避けるために動きを変えることになるというわけです。フォームが崩れれば、再び怪我をしやすくなります。また言うまでもなく、真の効果も望めなくなるのです。

◇常に筋肉痛があると、常に身体が疲れている状態になります

次のワークアウトを効果的にするためには、ジムに入るときに元気であることが重要となります。そうすれば、自分を本当に追い込んで、最大の重量を持ち上げることができるからです。

ですが、常に筋肉痛を感じているようであれば、完全に回復することは難しくなります。「重い重量を持ち上げられないと、長期的に強くなるために必要な負荷をかけることができず、結果的に筋力アップの効果が得られません」と、サミュエルは述べています。

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ワークアウトを評価するためのより良い方法は何ですか?

トレーニングをする男性
Mike Harrington//Getty Images

ワークアウト後の筋肉痛の程度を心配する代わりに、毎回のセッションの後に自問すべき質問が2つあります。

◇問1:数値は改善されたか?

まず、重量や回数を増やしましたか? ジムでの目標が何であれ、そこに到達する秘訣は漸進性過負荷、つまり徐々に重量や回数を増やしていくことです。したがって、優れたワークアウトを評価する一つの方法は、「一回のセッションでより重い重量を持ち上げられたか?」「より多くの回数をこなせたかどうか?」を確認することが大切です。

◇問2:今日のワークアウトに向けて、準備できていますか?

2つ目の質問は、次のワークアウトに取り組む準備ができているか? ということです。「毎回のワークアウトを適切な強度でトレーニングすることで、次のワークアウトにも元気に臨むことができます」と、サミュエルは述べています。

最適な回復が、その日の最大大の負荷を動かすことを可能にし、それが最適な筋肥大と筋力増強に不可欠な要素となることを忘れずに励んでください。

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筋肉痛はいつ役立つのでしょうか?

肩を押さえる男性
PeopleImages//Getty Images

ジムでのトレーニングのハードさを示す確かな指標ではないにしても、筋肉痛はいくつかの重要な役割を果たしていることは確かと言えます。

「全身の疲労や痛みが良いことである」という例はないとされていますが、特定の筋肉グループでの筋肉痛は、特に初心者にとっては、運動を正しく行っているかどうか? を確認するための手がかりになることがあります。

例えば、上腕二頭筋のカールを1セット行った翌日に、もし肩の筋肉痛を感じてしまった場合には、「その運動のフォームを見直す必要がある」と考えることができます。

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全体的に言えば、自分のワークアウトが効果的だったかどうか? を示す唯一の証拠は、達成することができたその成果からくるということを覚えておいてください。つまり、すぐに進捗を測定できないこともありますが、長期的には自分の利益になるということです。

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Translation / Yumi Suzuki
Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です