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スポーツ栄養士が語る:筋肉と筋力に最適な8つの食べもの【筋トレ・ダイエットにも必見】

筋肉量、筋力、パワーを維持するためには、食べる量だけでなく質も重要です。

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マスとカットしたレモン添え
VICUSCHKA

登録栄養士(日本における管理栄養士)で『Unprocess Your Life: Break Free from Ultra-Processed Foods for Good』の著者であるロブ・ホブソン氏は、「筋肉量、筋力、パワーを維持するには、食べる量だけでなく質も重要です」と述べています。

まずは主要栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂肪に注目しましょう。

「タンパク質は筋肉の成長と修復に不可欠であり、筋肉組織の構成要素であるアミノ酸を供給します」と、ホブソン氏は指摘しています。特に運動後は、適切な量を摂取することが重要です。目標体重1kgあたり約2gの摂取から始めるとよいでしょう。

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一般的な認識とは異なりますが、炭水化物もタンパク質同様に重要です。炭水化物は運動時の燃料となる主要なエネルギー源となり、特に筋肉への負荷が高い高強度や持久力を要する運動中には、重要な役割を果たすことが知られています。

「炭水化物は、持続的なエネルギー供給と効果的な回復に不可欠な筋グリコーゲンを補充します。また、炭水化物はタンパク質を保存し、筋肉を増強する役割を果たして、燃料として消費され尽くさないようにします」と、ホブソン氏は述べています。さらに良質な脂肪に関しては、「炎症を抑え、筋肉の健康をサポートするのに役立ちます」というとです。

ここでは、筋肉と筋力をつけるのにおすすめの食べものを8つ紹介しましょう。

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【1】黄エンドウ豆

黄エンドウ豆
Roberto Machado Noa

筋肉形成には、肉だけでなく植物由来のタンパク質も重要です。この豆に含まれる必須アミノ酸はバランスが良く、高品質なタンパク源と言えるでしょう。

ではなぜか? それは、植物性タンパク質は肉類と比べて脂肪や飽和脂肪酸が少ない傾向があるから。また、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれているため、健康的な食生活を送るうえで重要な役割を果たすという観点からです。

近年、肉の過剰摂取は心臓病や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることが指摘されています。そのため、植物性タンパク質を積極的に摂取することは、健康維持にも効果的と言えるでしょう。

一方で、肉類などの動物性タンパク質は必須アミノ酸を全て含んでいる "完全タンパク質" に対して、植物性タンパク質は一部の必須アミノ酸が不足しがちです。

そこで、複数の種類の植物性タンパク質を組み合わせることで、必須アミノ酸を全て補完するこよう心がけましょう。例えば、豆類と穀類を組み合わせて摂取することで、完全タンパク質と同等の必須アミノ酸スコアを得ることができはずです。

このように植物性のタンパク質も重要視することで、筋肉を成長させることとともに、運動中に損傷した組織の修復を助け、回復の促進にもフォーカスしましょう。つまり、「食物繊維やミネラルも豊富に含まれているという点は、見逃すべきではない」ということです。

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【2】赤身の牛肉

赤身の牛肉
The Washington Post

赤身の牛肉は、動物性食品に含まれ、筋肉にクレアチンリン酸として貯蔵されるクレアチニンの優れた供給源です。短時間の高強度な活動中、クレアチンリン酸はATP(アデノシン三リン酸)の再生を助け、筋肉が高いパフォーマンスレベルを維持するのに役立つでしょう。

要するに、クレアチンリン酸を摂取することで、より長い時間、より強い筋肉を維持することが期待できるということになります。

【3】ギリシャヨーグルト

ギリシャヨーグルト
wilatlak villette

ギリシャヨーグルトも、筋肉の成長と修復に不可欠とされるロイシンを豊富に含む食品として注目されています。ロイシンは必須アミノ酸の一つであり、筋肉のタンパク質合成を促進する役割を果たすことがわかっています。

例えば、カナダのマクマスター大学のPhysical Activity Centre of Excellenceのディレクターであり、マクマスター栄養・運動・健康研究センターのディレクターでもあるスチュアート・M・フィリップス博士らが行った研究では、「ロイシンの高いレベルは、細胞内のタンパク質生成を活性化させる」という結果が導き出されていまし、その他、数多くの研究でこれに類する結果が出ています。

つまりタンパク質合成は、筋肉の成長と修復に必要なプロセスであり、トレーニング後に十分なロイシンを摂取することで、より効果的な筋肉増強が期待できるというわけです。

そしてギリシャヨーグルトは、一般的なヨーグルトと比べて約2倍のタンパク質を含むため、ロイシン含有量も高くなります。具体的には100gあたり約2gのロイシンが含まれているとされ、これは鶏むね肉100gと同程度の量になります。

さらにヨーグルトは、プロバイオティクスの効果も期待でき、腸内環境を整え、免疫力を高めたり肌荒れを抑えるなどの健康増進が期待できます。では、プロバイオティクスとは何か? それはヒトの健康に有益な働きをする微生物の総称です。一般にヨーグルトに含まれるものとしては、乳酸菌ビフィズス菌と呼ばれるものになります。ただし、これらが生きたまま腸内に届けられることが肝心となります。

しかしながら、全てのプロバイオティクスが生きて腸内に届くわけではありません。胃酸や胆汁によって死んでしまうプロバイオティクスも存在します。

そこで近年注目されているのが、胃酸や胆汁に強いプロバイオティクスです。代表的な例としては、LGG菌R1乳酸菌などが挙げられます。これらのプロバイオティクスは、胃酸や胆汁に耐えることができることがわかっているので、生きたまま腸内に届く可能性が高くなるというわけです。

例えばLGG菌ならダノンジャパンの「ダノンオイコス」シリーズに含まれています。ダノンオイコスは、高タンパク質・低脂肪のギリシャヨーグルトであり、LGG菌が腸内環境を整え、免疫力を高める効果が期待できます。

ですが、R1乳酸菌が含有されたギリシャヨーグルトは見つけることはできませんでしたので、R1乳酸菌による効果も望む場合には、R1乳酸菌を含む明治の「プロビオヨーグルトR-1」と組み合わせて摂取するなどすればいいかもしれません。

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【4】オーツ麦

オーツ麦
OatmealStories

エンジンを始動する前に、燃料を補給する必要があります。炭水化物も同じように、運動を行うために必要なエネルギーを筋肉に供給します。

また炭水化物には、「タンパク質節約効果」があるとされ、筋肉の維持をサポートすることを、バーミンガム大学のLeigh Breen教授らの研究により導き出されています。つまり、炭水化物を十分に摂取することで、エネルギーとしてタンパク質が消費されすぎず、タンパク質が筋肉の成長と修復に専念できるようになるということです。

さらにその研究では、炭水化物の摂取はインスリンの分泌を促し、これがアミノ酸を筋肉細胞に運ぶのを助けることがわかっています。

【5】マス(トラウト)

マスとカットしたレモン添え
VICUSCHKA

サケ科の中でもマスは、青魚でない中でもオメガ3脂肪酸が豊富に含まれている魚として知られています。青魚が苦手な人は、マスを選んでタンパク質およびオメガ3脂肪酸の摂取を心がけてはいかがでしょうか? なぜなら、オメガ3脂肪酸には激しいトレーニングに伴う筋肉の炎症や筋肉痛を軽減するのに役立つ可能性が研究によって導き出されているからです。

また、オメガ3脂肪酸は血液をサラサラにして、運動中の筋肉への血流を改善し、筋肉のタンパク質合成速度を高めることが科学的に示されていることは既にご存じでしょう。これを無視する必要はありません。

とは言え、もし青魚でも問題ないのであれば、さらに日本人向けで言えば、やはりサバがおすすめです。サバはDHAとEPAを豊富に含む青魚として知られていて、100gあたり約2.0gのオメガ3脂肪酸が含まれています。また、良質なタンパク質も豊富に含んでおり、100gあたり約20gのタンパク質が含まれていますので。

【6】鶏の胸肉

グリルした鶏肉
Kseniya Ovchinnikova

ボディビルダーの主食と言える鶏のタンパク質は、筋肉の成長に役立つだけでなく、他にも多くの利点を持っています。

例えば鶏の胸肉なら、ビタミンB6の豊富な供給源となるでしょう。ビタミンB6はタンパク質代謝に関与し、アミノ酸の同化を助ける補酵素として機能することがわかっています。

筋肉の成長と修復はタンパク質の合成に依存しているため、筋力アップの効果を最大限にするには、食事で十分な量のビタミンB6を摂取することが不可欠となります。

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【7】かぼちゃの種

かぼちゃの種
Carlos Gawronski

お粥(かゆ)のトッピングにも使われるかぼちゃの種は、筋肉の健康と機能をサポートするマグネシウムの優れた供給源です。このミネラルは適切なリラクゼーションにも必要であり、運動後の筋肉痛やけいれんの軽減に役立つ可能性があります。

また、エネルギー代謝にもマグネシウムが重要な役割を果たしているため、まさに多機能な食材と言えます。

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【8】アボカド

アボカド
Westend61

アボカドに含まれるグルタチオンが、激しい運動や筋肉疲労から生じる過剰な活性酸素を除去し、筋細胞のダメージを保護、回復を促進、筋肉疲労を軽減する可能性があることは、興味深い研究結果として、トレーニーたちを中心に注目されています。

それは、身体を大きくしたいと考えている人にとっては、カロリー摂取量を健康的に増やせるから。そんなわけでアボガドは、すでに良質な脂質、タンパク質、ビタミン豊富ということで、筋力増強を目指す人にとってすでに、人気の食材となっています。

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Translation / Yumi Suzuki
Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です

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