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より幸せで生産的に生きるために。フロー状態を活用する方法

ときには「ゾーン状態」とも呼ばれるフロー状態は、深く没入し完全に集中している状態だ。ここでは、フロー状態について具体的に見てみよう。

By Kate Cheng
パソコンを触る男性
Maria Korneeva//Getty Images

この言葉を聞いたことがない人もいるかもしれないが、「フロー状態」とは人がある活動やタスクに完全に没頭している精神空間のことを指す。フロー状態には生産性の向上や明るい気分になるなど、さまざまな認知上の利点と関連があるとも言われている。

そこで私たちメンズヘルスは、フロー状態を理解し活用できるよう神経科学者に相談した。以下にその内容を紹介する。

スイートスポットを見つける

バランス
akinbostanci//Getty Images

「フロー状態とは、退屈とストレスのバランスが釣り合っている状態です」と、神経科学者で『Rewire: Break the Cycle, Alter Your Thoughts and Create Lasting Change』の著者であるニコル・ヴィニョーラ氏は言う。

タスクは自己中断(コーヒーを飲むために立ち止まるような内発的な思考)に直面するほど、退屈であってはならない。しかし、進まなくなったり先延ばしにしたりするほど、厄介であってもならないということだ。

また 内発的動機づけ(内なる原動力)と、外発的動機づけ(例えば仕事の締め切りのようなこと)をミックスすることも効果的だということ。

良い気分になるには

ボートに立つ男性
Gary John Norman//Getty Images

フロー状態中には、ドーパミン(やる気と報酬に関与する神経伝達物質)が側坐核から放出されることがわかっている。側坐核は大脳基底核の一部で、習慣形成にも関与する脳構造群だ。

ヴィニョーラ氏によれば、「この活動は『自己報酬型』で、多幸感に包まれて気分が良くなるでしょう」ということ。その結果、疲労感や不快感が軽減されるそうだ。

非常に高い集中力を得るには

男性の寄った顔
Darren Robb//Getty Images

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)は、ストレスの瞬間に放出される神経伝達物質で、「覚醒と警戒」を保つためのものであることが知られている。多すぎるとフロー状態から外れてしまうが、少しなら集中力を得る助けになるということ。

「ノルアドレナリンは、“どのタスクに注意を向ける必要があるか? を判断し、競合する刺激を取り除く”-役割を果たし、目の前の仕事に完全に没頭できるようになるとされています」と、ヴィニョーラ氏は言う。

それが(暗いトンネルの中で前方の明るい出口だけを見るような、視野が狭まっている状態)トンネル・ビジョンのような感覚であり、つまり、他の全てが“存在しなくなる感覚”を生み出すということだ。

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身体から離脱し、抵抗感を乗り越える

脳が活性化
PASIEKA//Getty Images

フロー状態は、自分の頭から抜け出すのに役立つようだ。ヴィニョーラ氏によれば、「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN:前頭前野や偏桃体といった脳の各部位をつないで、束ねる中心的な役割を果たしている)は内的思考、自己言及的情報、自伝的記憶、マインドワンダリング(目の前のことに集中せず他のことを考える状態)をつかさどっており、ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動と関連しています。フロー状態に入ると、DMNの活動が抑制され、外部のタスクや活動に完全に集中することができます」とのこと。

フロー状態に入っているときは自意識が薄れてタスクだけに集中しているため、あまり活発化していないとされている。そして、神経可塑性(刺激を与えられることで脳が変化する、情報を学習すること)によって私たちは過去のフロー状態体験を活用し、抵抗感のあることに打ち勝てるそうだ。

頭の中で描く

瞑想をする男性
Maskot//Getty Images

フロー状態時の創造性はDMNと、“問題解決や認知的に負荷のかかるタスクを担当するセントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN:主に前頭前野とその関連する部分で構成される特定の神経回路)”の相互作用であるということだ。

「第三のシステムであるセイリエンスネットワークは、どの刺激が重要かを決定し、DMNとCENを切り替えて、どちらが“オン”になるべきか? を決定する」と、ヴィニョーラ氏は説明する。瞑想や自己催眠によって、このプロセスをより効率的にすることができるということになる。

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Source / Men's Health UK
Translation & Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳となる

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