ロックダウン中、ヘアサロンに行けなかった私たちは、バリカンを手にして、自ら髪を短くするしか方法がなかった。その結果、シンプルで失敗しにくいヘアカットのひとつであるバズカットが、ソーシャルメディアを中心にトレンドになった。
ロックダウンが終われば、バズカットは過去のものになるだろう、と大多数の人が予測していたのにもかかわらず、2年たってもそのトレンドは健在だ。ファッション界ではいま、空前の2000年代ブームが巻き起こっている。ダボダボのバギーパンツから、映画『マトリックス』を想起させるようなレザールック、ノームコアなど、Y2Kファッションは急速に主流になりつつある。そのブームにともない、当時のトレンドだった髪を短く刈り上げるヘアスタイルが再び注目を浴びているのだ。
Z世代を代表するファションアイコンであるロメオ・ベッカムは、2000年代のトレンドセッターだった父のデヴィッド・ベッカムに倣って、シルバーブロンドのバズカットにイメチェンした。ソーシャルメディアのスターであり、2021年版『ゴシップガール』に出演する俳優のエヴァン・モックや、ミュージシャンのマシン・ガン・ケリー、そして、ジェイデン・スミスもすぐにこのトレンドを取り入れた。「#buzzcutchallenge」はTikTokでもトレンドになり、ハッシュタグ「#buzzcut」は現在までに19億回以上も視聴されている
ドラマ『リバーデイル』でアーチー役を演じる俳優のKJアパが、「Reset(リセット)」というキャプションを付けて、バズカット姿をインスタグラムで披露したのは先週末のことだった。世界が日常を取り戻し、大きな転換期を迎えているいま、バズカットは再生のシンボルにふさわしいように思える。
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2022年に、バズカットにする理由はさまざまだ。退屈しのぎ、エンパワーメント、クリエイティビティ、あるいは、髪なんて重要でない、という主張でもいいかもしれない。流行に乗るのも、逆らうのも、あなた次第だ。
From: BRITISH GQ Adapted by Etsuko Yoshikawa