「ハリウッド黄金時代」を代表する大女優、エリザベス・テイラー。アカデミー賞主演女優賞を5度も受賞した彼女はその演技力と美貌で観客を魅了しただけでなく、豪奢な私生活、特に"7人の男性たちとの8度の結婚"もメディアの関心の的に。
しかし、彼女が伝統的な純白のウエディングドレスを着用してバージンロードを歩いたのは、コンラッド・ヒルトンとのたった一回のみ。2回目の結婚式ではミモレ丈のスカートスーツで控えめに装ったが、その後のセレモニーでは当時のトレンドに沿ったシルエットと華やかな色合いで、ドラマティックな彼女の生き様を反映させている。ここからは、テイラーのウエディングドレス八変化を見ていこう。
1回目 18歳で纏った純白ドレス
1950年5月6日、18歳の若さで同郷のコンラッド・ヒルトンと結婚したエリザベス・テイラー。まだあどけなさが残る表情が印象的だ。この結婚式は、映画会社MGMスタジオの重役たちによって準備されたもので、グレース・ケリーのウエディングドレスもデザインしたコスチュームデザイナーのヘレン・ローズによる白いガウンを着用。伝統的なフルスカートでシードパールが刺繍されたドレスは、2013年にオークションにかけられ、122,000ポンドで落札された。
2回目 20歳で再婚、襟付きのスカートスーツで挙式に
1952年2月21日、コンラッド・ヒルトンとの結婚から2年後、エリザベスはイギリス人俳優のマイケル・ワイルディングとゴールイン。20歳以上も年上のスマートで成熟した相手の雰囲気に合わせ、襟付きのスカートスーツで挙式を行なった。今回も再び、デザイナーのヘレン・ローズにドレスのデザインを依頼。ベールではなく、ブーケに合わせたフラワー付きのヘアアレンジを披露した。
3回目 再々婚は24歳、フード付きドレスで
1957年2月2日、24歳で3番目の夫マイク・トッドとメキシコのアカプルコ市庁舎で小さな結婚式を挙げた。この日の装いは白いシルクシフォンのドレスにフードのついたドレス。
4回目 26歳でユダヤ教に改宗し結婚
ユダヤ教に改宗したテイラーは、4番目の夫エディ・フィッシャー(亡くなった3番目の夫トッドの親友)と1959年5月12日、ラスベガスのベス・シャローム寺院で結婚式を挙げている。上品な透け感が印象的な深緑のドレスに、ベール代わりのフードを着用した。
5回目 31歳、可憐なイエロードレスを纏って
映画『クレオパトラ』の共演者だったリチャード・バートンと1964年3月15日にモントリオールでゴールイン。同作の衣装デザイナー、アイリーン・シャラフによる膝丈のエンパイアラインのドレスにブルガリ(BVLGARI)のブローチをコーディネートした。
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6回目 42歳で5人目の夫と再婚
1975年10月10日、42歳の時に5人目の夫であったリチャード・バートンと再婚を果たす。結婚式を行なったのはボツワナの湖畔。ジーナ・フラティーニが手がけた、グリーンを基調にしたマルチカラーのオンブレドレスを着用し、ヘアは鮮やかなフェザーをあしらったルーズなアップスタイルにまとめた。このドレスは2011年のオークションにおいて、62,500ドルで落札されている。
7回目 43歳、上院議員ジョン・ワーナーと結婚
5人目の夫であったリチャード・バートンとの再婚からわずか1年後、1976年12月4日に上院議員ジョン・ワーナーと結婚。バージニア州の彼の邸宅でプライベートに執り行われた。ワーナーとの結婚生活は6年で終止符を打ったが、離婚後もいい友人関係を築いていた。上の写真は、1981年NYでのパーティーでの一コマ。
8回目 58歳、最後の挙式はレモン色のドレス
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最後の結婚は1991年10月6日。ラリー・フォーテンスキーとマイケル・ジャクソンの所有する"ネバーランド"で結婚式を挙げた。新郎を優しく見つめるテイラーは、ヴァレンティノ(VALENTINO)のレースガウンを着用。特注のレモンカラーのドレスは、レースのティアードスカートがポイントだ。この結婚式の写真使用権は100万ドルで『People』誌に売却され、その資金はエリザベス・テイラー・エイズ基金の設立に使われた。
Text: Makiko Yoshida