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== 失われたテレビ番組 ==
== 失われたテレビ番組 ==
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[[日本放送協会]](NHK)によると、1953年から70年代までの間に日本で放送された番組のフィルムまたはマスターテープの大半が現存していないという<ref name="NHK発掘">{{Cite web |title=発掘って何? |url=https://www.nhk.or.jp/archives/hakkutsu/about/ |website=NHK番組発掘プロジェクト通信 |access-date=2024-06-18 |publisher=[[日本放送協会]]}}</ref>。テレビ放送の創成期はすべてが生放送だったことに加え、のちに放送用のビデオテープが日本に導入されたものの、入手手段が国外からの輸入に限られていた上に、単価も100万円と極めて高額だったため、何べんも上書きして使いまわしていた<ref name="NHK発掘"/><ref name="Asahi20100209"/>。

たとえば、NHKの[[大河ドラマ]]の第1作の『[[花の生涯 (NHK大河ドラマ)|花の生涯]]』から第13作の『[[元禄太平記]]』、および第15作の『[[花神 (NHK大河ドラマ)|花神]]』までのマスターテープの大半が散逸状態にある<ref name="NHK発掘"/>。

その後、NHKは1981年から番組の保存体系の確立を進め、一般視聴者から番組関係者、さらには博物館などに協力を呼びかけ、見つけた映像の再放送や上映会につなげた例もあった<ref name="NHK発掘"/>。たとえば、大河ドラマ第14作『[[風と雲と虹と]]』の場合、当初は総集編のみ現存と思われていたが、NHKの倉庫から全話分のテープが見つかり、DVD化につなげた<ref name="AERA20130509">{{Cite web |title=テレビドラマ版『同棲時代』、幻の録画テープ発見秘話 |url=https://dot.asahi.com/articles/-/11847 |website=AERA dot. (アエラドット) |date=2013-05-09 |access-date=2024-06-18 |author=[[中島かずき]]}}</ref>。<!--また、[[山田洋次]]が初めてテレビにかかわった『遺族』は保管庫からフィルムが見つかった<ref>{{Cite web |title=山田洋次監督のテレビ初脚本ドラマ『遺族』 |url=https://www.nhk.or.jp/archives/hakkutsu/news/detail017.html |website=NHK番組発掘プロジェクト通信 |access-date=2024-06-18 |language=ja |last=NHK}}</ref>。-->一般視聴者宅で録画映像が見つかった例としては『[[タイム・トラベラー]]』の最終回が該当する<ref name="AERA20130509"/>{{efn|この例を取り上げた中島かずきによると、放送当時における家庭用ビデオテープレコーダは極めて高価であるが故に一般家庭には普及していなかったが、発見者の実家が電器店であり、たまたま最終回だけ録画していたという<ref name="AERA20130509"/>。}}。また、複数の場所から見つかった例としては『[[草燃える]]』(全話)<ref name="Asahi20100209">{{Cite web |title=asahi.com(朝日新聞社):「幻の大河」全話が復活 視聴者協力で30年ぶり |url=https://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY201002090274.html |website=www.asahi.com |publisher=朝日新聞社|date=2010-02-09|access-date=2024-06-18}}</ref>{{efn|{{出典範囲|text1=2007年に元スタッフが自宅で録画していた12話分が寄贈されたほか、出演していた子役の保護者からも2話分が寄せられ、2009年に[[時代劇専門チャンネル]]で再放送が行われた。これがきっかけで一般視聴者からNHKに4話分の寄贈がなされたほか、元ディレクターから自身が演出した18話分を録画した映像が寄贈され、さらに別の人物からもテープが寄せられ、全話分そろった。|ref1=<ref name="Asahi20100209"/>}}}}が該当する。

民間放送においても同様に、失われたと思われた番組が見つかることもあった。たとえば、日本初のテレビドラマといわれる『[[ぽんぽこ物語]]』(1957年~1958年放送)の場合、放送から約60年後の2018年12月にTBSの子会社の倉庫から71話分のフィルムが発見された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tbsholdings.co.jp/pdf/news/201812180930.pdf|title=国産初のテレビドラマのフィルム原盤、61年ぶりに見つかる|work=TBS|date=2018-12-18|accessdate=2020-4-29}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39088110Y8A211C1CR8000/|title=国産初のドラマ原盤発見 TBS、約60年ぶり|newspaper=日本経済新聞|date=2018-12-18|accessdate=2020-4-29}}</ref>。また、同局で1973年に放送されたテレビドラマ『[[同棲時代]]』の場合、2009年に原作漫画の版元である双葉社にて「同棲時代 TBS」と記載された[[Uマチック]]テープが見つかり{{efn|中島は、放送当時のテレビ局が原作の出版社にサンプルとしてビデオテープを渡すことは考えにくく、[[Uマチック]]は専用の機材がないと見られないため、なぜ双葉社に残っていたのか謎だとしている<ref name="AERA20130509"/>。}}、ライターの加藤義彦を通じてTBSに確認してもらったところ、マスターテープではなく放送された番組の録画と判明した<ref name="AERA20130509"/>。最終的には双葉社に在籍していた[[中島かずき]]を通じてTBSに寄贈され、のちに[[TBSチャンネル|TBSチャンネル2]]での再放送を実現した<ref name="AERA20130509"/>。

<!--日本国外においても、失われた番組が見つかった例がある。たとえば、1993年にアメリカ合衆国で放送された漫画『[[美少女戦士セーラームーン]]』の{{仮リンク|Sailor Moon (パイロット版)|label=パイロット版|en|Sailor Moon (1994 TV pilot)}}は過剰なアメリカナイズ故に不評を被り、そのままお蔵入りとなったが、のちに[[アメリカ議会図書館]]にフィルムが保管されていることが判明した<ref>{{Cite web |url=https://front-row.jp/_ct/17565305 |title=幻の「アメリカ版セーラームーン」映像が発見!タキシード仮面のガタイが良い、BGMがノリノリ…面白すぎる! |access-date=2024-06-18 |date=2022-08-23 |website=フロントロウ}}</ref>。-->

人々の活動によって映像が散逸を免れた例もあった。アメリカ合衆国の元社会活動家の{{仮リンク|マリオン・ストークス|en|Marion Stokes}}が30年にわたり24時間体制で[[CNN]]をはじめとする複数のテレビ局によるニュース番組を録画し続けたことで知られており、本人の没後、映像はインターネットアーカイブに引き取られた<ref>{{Cite web |title=30年以上にわたってTVのニュース番組を7万本以上のビデオテープに録画し続けた女性 - GIGAZINE |url=https://gigazine.net/news/20191125-woman-recorded-tapes-american-news/ |website=gigazine.net |date=2019-11-25 |access-date=2024-06-18 |language=ja}}</ref>。


== 失われたビデオゲーム ==
== 失われたビデオゲーム ==
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デジタル配信を含むビデオゲームの多くは[[Wiiショッピングチャンネル]]やVキャストネットワークのようなデジタルゲームストアが閉鎖されると存在が消されることが多い。例として[[サイレントヒル]]シリーズで制作中止されたゲームのティーザー作品であった''[[P.T. (ホラーゲーム)|P.T.]]は配信開始から一年足らずで''[[PlayStation Network]]から撤去された<ref>{{Cite web |url=http://www.polygon.com/2015/5/5/8557807/pt-silent-hills-demo-pulled |title=Konami pulls P.T. from PlayStation Store, no longer available for re-download (update) |website=[[Polygon (website)|Polygon]] |publisher=[[Vox Media]] |access-date=2023-09-05 |first=Michael |date=2015-05-05 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150519035901/http://www.polygon.com/2015/5/5/8557807/pt-silent-hills-demo-pulled |archive-date=2015-05-19 |language=en |last=McWhertor |url-status=live}}</ref>。ゲームのファンは復活させようとしたが、[[コナミグループ|コナミ]]との法的問題によりできなかった。また[[Wii U]]と[[ニンテンドー3DS]]で配信されていた''Dodge Club Party''と''Dodge Club Pocketはそれぞれ''[[2019年]]と[[2022年]]''''[[ニンテンドーeショップ]]での配信が終了し、コントロール問題により非公開となった<ref>{{Cite news |url=https://www.nintendolife.com/news/2022/01/another-game-has-been-delisted-from-nintendos-3ds-eshop |title=Another Game Has Been Delisted from Nintendo eShop |date=January 25, 2022 |newspaper=nintendo life |last=Doolan |first=Liam |language=en |archive-url=https://web.archive.org/web/20220125031021/https://www.nintendolife.com/news/2022/01/another-game-has-been-delisted-from-nintendos-3ds-eshop |archive-date=2022-01-25}}</ref>。[[Google Play]]を始めとする[[アプリケーションストア]]も頻繁にアプリやゲームの配信を停止することで知られ、これらの多くは再配信されることなく失われる。
デジタル配信を含むビデオゲームの多くは[[Wiiショッピングチャンネル]]やVキャストネットワークのようなデジタルゲームストアが閉鎖されると存在が消されることが多い。例として[[サイレントヒル]]シリーズで制作中止されたゲームのティーザー作品であった[[P.T. (ホラーゲーム)|P.T.]]は配信開始から一年足らずで[[PlayStation Network]]から撤去された<ref>{{Cite web |url=http://www.polygon.com/2015/5/5/8557807/pt-silent-hills-demo-pulled |title=Konami pulls P.T. from PlayStation Store, no longer available for re-download (update) |website=[[Polygon (website)|Polygon]] |publisher=[[Vox Media]] |access-date=2023-09-05 |first=Michael |date=2015-05-05 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150519035901/http://www.polygon.com/2015/5/5/8557807/pt-silent-hills-demo-pulled |archive-date=2015-05-19 |language=en |last=McWhertor |url-status=live}}</ref>。ゲームのファンは復活させようとしたが、[[コナミグループ|コナミ]]との法的問題によりできなかった。また[[Wii U]]と[[ニンテンドー3DS]]で配信されていた''Dodge Club Party''と''Dodge Club Pocket''はそれぞれ[[2019年]]と[[2022年]]に[[ニンテンドーeショップ]]での配信が終了し、コントロール問題により非公開となった<ref>{{Cite news |url=https://www.nintendolife.com/news/2022/01/another-game-has-been-delisted-from-nintendos-3ds-eshop |title=Another Game Has Been Delisted from Nintendo eShop |date=January 25, 2022 |newspaper=nintendo life |last=Doolan |first=Liam |language=en |archive-url=https://web.archive.org/web/20220125031021/https://www.nintendolife.com/news/2022/01/another-game-has-been-delisted-from-nintendos-3ds-eshop |archive-date=2022-01-25}}</ref>。[[Google Play]]を始めとする[[アプリケーションストア]]も頻繁にアプリやゲームの配信を停止することで知られ、これらの多くは再配信されることなく失われる。


== 失われた電子データ ==
== 失われた電子データ ==
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* [[:en:List of unpublished books]]
* [[:en:List of unpublished books]]


== 出典 ==
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2024年6月18日 (火) 10:36時点における版

映画『真夜中のロンドン英語版』の劇場公開ポスター。存在が確認された最後の映画フィルムが1965年MGM保管庫火災により失われた[1]

失われたメディアまたはロストメディア英語: Lost Media)とは、所在や存在が確認できなかったり、公開されていないメディアのことを指す総称である。この単語は映画、テレビやラジオの放送、音楽[2]コンピュータゲーム[3][4]を指すことが多い。失われた芸術作品英語版逸文も当てはまる場合はあるが、これらの作品には失われた作品という単語が使われることが多い[5]

インターネット上の動画サイトが普及して以降、「失われたメディア」という単語はネット上での配信が行われていない作品を指す場合が増えてきた[6]。特に磁気テープで記録されたテレビやラジオ番組といったメディアはテープの上書き(1970年代後半にホームメディアが台頭するまでは価値のないものと考えられていた)により失われたものが多い。中には現存するメディアもあるものの、アメリカ議会図書館や個人以外の所蔵が確認ができず、簡単に閲覧することができないものもある[7]2012年にダニエル・ウィルソンにより設立されたウィキサイト「ロストメディアウィキ」は未放映やマイナーなテレビ番組といった失われたメディアの他にCM、音楽、書籍、コンピューターゲームの捜索に力を入れている[2][8][9]

これ以上作品が失われることがないよう、アーカイブへの収蔵などの保存作業が行われている。北極圏ワールドアーカイブはその一つで、GitHubに掲載されているコードの保存庫として使用されている[10]他、ブラジルノルウェーの憲法などの各国や企業の資料が保存されている[11]

失われた映画

アメリカで制作されたサイレント映画の多くは失われたとされている。2013年アメリカ議会図書館が行った調査によればアメリカ国内で制作されたサイレント映画の実に75%が完全に失われたと推測されている[12]マーティン・スコセッシ監督をはじめとする映画制作者たちによって設立された映画財団英語版は2017年、「1950年以前に製作されたアメリカ映画の半分、1929年以前に製作された映画の90%以上が永遠に失われている」と主張した[13]ドイツ・キネマテーク英語版は、サイレント映画の80~90%が消滅したと推定している[14]。映画アーカイブ独自のリストには、3,500本以上の失われた映画が含まれている。

失われたテレビ番組

日本放送協会(NHK)によると、1953年から70年代までの間に日本で放送された番組のフィルムまたはマスターテープの大半が現存していないという[15]。テレビ放送の創成期はすべてが生放送だったことに加え、のちに放送用のビデオテープが日本に導入されたものの、入手手段が国外からの輸入に限られていた上に、単価も100万円と極めて高額だったため、何べんも上書きして使いまわしていた[15][16]

たとえば、NHKの大河ドラマの第1作の『花の生涯』から第13作の『元禄太平記』、および第15作の『花神』までのマスターテープの大半が散逸状態にある[15]

その後、NHKは1981年から番組の保存体系の確立を進め、一般視聴者から番組関係者、さらには博物館などに協力を呼びかけ、見つけた映像の再放送や上映会につなげた例もあった[15]。たとえば、大河ドラマ第14作『風と雲と虹と』の場合、当初は総集編のみ現存と思われていたが、NHKの倉庫から全話分のテープが見つかり、DVD化につなげた[17]。一般視聴者宅で録画映像が見つかった例としては『タイム・トラベラー』の最終回が該当する[17][注釈 1]。また、複数の場所から見つかった例としては『草燃える』(全話)[16][注釈 2]が該当する。

民間放送においても同様に、失われたと思われた番組が見つかることもあった。たとえば、日本初のテレビドラマといわれる『ぽんぽこ物語』(1957年~1958年放送)の場合、放送から約60年後の2018年12月にTBSの子会社の倉庫から71話分のフィルムが発見された[18][19]。また、同局で1973年に放送されたテレビドラマ『同棲時代』の場合、2009年に原作漫画の版元である双葉社にて「同棲時代 TBS」と記載されたUマチックテープが見つかり[注釈 3]、ライターの加藤義彦を通じてTBSに確認してもらったところ、マスターテープではなく放送された番組の録画と判明した[17]。最終的には双葉社に在籍していた中島かずきを通じてTBSに寄贈され、のちにTBSチャンネル2での再放送を実現した[17]


人々の活動によって映像が散逸を免れた例もあった。アメリカ合衆国の元社会活動家のマリオン・ストークス英語版が30年にわたり24時間体制でCNNをはじめとする複数のテレビ局によるニュース番組を録画し続けたことで知られており、本人の没後、映像はインターネットアーカイブに引き取られた[20]

失われたビデオゲーム

デジタル配信を含むビデオゲームの多くはWiiショッピングチャンネルやVキャストネットワークのようなデジタルゲームストアが閉鎖されると存在が消されることが多い。例としてサイレントヒルシリーズで制作中止されたゲームのティーザー作品であった『P.T.』は配信開始から一年足らずでPlayStation Networkから撤去された[21]。ゲームのファンは復活させようとしたが、コナミとの法的問題によりできなかった。またWii Uニンテンドー3DSで配信されていたDodge Club PartyDodge Club Pocketはそれぞれ2019年2022年ニンテンドーeショップでの配信が終了し、コントロール問題により非公開となった[22]Google Playを始めとするアプリケーションストアも頻繁にアプリやゲームの配信を停止することで知られ、これらの多くは再配信されることなく失われる。

失われた電子データ

頻繁に最近のファイルフォーマットデータ移行されないデータは失われる危険にある。これは陳腐化した古いフォーマットのファイルが新たに開発されたシステムや技術に対応できず、時の経過と共に壊れ、結果としてデータを開けることができなくなるからである[23]。また、元のハードウェアが壊れていた場合電子データの保存にはシステムの解読用のエミュレータを要することとなり、それがより保存作業を複雑化させている現状もある[24]。ただし、 元データを長時間にわたるリバースエンジニアリングの末復旧と解読をすることが可能な場合もある[25]

失われたネットメディア

ライブ動画配信サービスやブログ記事といったネット上に発表されたメディアはサイト自体の閉鎖や、アーカイブされることなく作成者などに削除されるといったことから特に失われる危険が高い。

失われた音楽(ロストウェイヴ)

Lostwave(ロストウェイヴ、もしくはロストウェーブ)とは、作者や出所が不明な曲に対して使われるインターネット用語である。 有名な未知の曲には、ドイツのラジオ放送から録音された1980年代に作詞作曲されたと見られる曲「インターネット上で最も不思議な曲」や、1999年頃に録音された1980年代か1990年代に作られた曲の17秒間の断片「Ulterior Motives (Everyone Knows That)」、とある日本のネットユーザが1990年代前半頃、秋葉原の店で購入したカセットテープに録音されていた正体不明の楽曲の情報を募る為、2000年代半ばに2ちゃんねるオカルト板ニコニコ動画に音源を投稿し、情報提供を呼びかけたが、現在でもいつどこで誰が作詞作曲歌唱したのか一切の情報が不明な日本語の楽曲の通称「秋葉原の店で購入したカセットテープに録音されていた曲」などがある。

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ この例を取り上げた中島かずきによると、放送当時における家庭用ビデオテープレコーダは極めて高価であるが故に一般家庭には普及していなかったが、発見者の実家が電器店であり、たまたま最終回だけ録画していたという[17]
  2. ^ 2007年に元スタッフが自宅で録画していた12話分が寄贈されたほか、出演していた子役の保護者からも2話分が寄せられ、2009年に時代劇専門チャンネルで再放送が行われた。これがきっかけで一般視聴者からNHKに4話分の寄贈がなされたほか、元ディレクターから自身が演出した18話分を録画した映像が寄贈され、さらに別の人物からもテープが寄せられ、全話分そろった。[16]
  3. ^ 中島は、放送当時のテレビ局が原作の出版社にサンプルとしてビデオテープを渡すことは考えにくく、Uマチックは専用の機材がないと見られないため、なぜ双葉社に残っていたのか謎だとしている[17]

出典

  1. ^ Soister, John; Nicolella, Henry; Joyce, Steve; Long, Harry (2012). American Silent Horror, Science Fiction and Fantasy Feature Films, 1913–1929. McFarland. p. 333. ISBN 978-0786435814 
  2. ^ a b Blanchet, Brenton (2020年4月21日). “The internet community unearthing lost episodes from your childhood faves” (英語). i-D. Vice Media. 2021年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ2023年9月5日閲覧。
  3. ^ Forrest, Eleanor (2022年3月8日). “Meet Raven Simone, the YouTuber who discovered the lost Mean Girls video game” (英語). NME. NME Networks. 2022年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ2023年9月5日閲覧。
  4. ^ Bell, Brendan (2021年9月16日). “Meet the YouTubers determined to find lost media” (英語). The Verge. Vox Media. 2021年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ2023年9月6日閲覧。
  5. ^ Bruncevic, Merima (2017). Law, Art and the Commons. Taylor & Francis. p. 322. ISBN 9781315521398. https://books.google.com/books?id=ttIrDwAAQBAJ 
  6. ^ Leighton, Mara (2022年8月23日). “A YouTuber and Sailor Moon fanatic used the Library of Congress to uncover the never-aired pilot episode of an American version of the '90s hit show” (英語). Insider. ProQuest. 2023年9月5日閲覧。
  7. ^ Hughes, William (2022年6月18日). “A 'lost,' 'too-scary' episode of Sesame Street has been uploaded to the internet” (英語). The A.V. Club. 2022年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ2023年9月5日閲覧。
  8. ^ Kirsch, Melissa (2021年3月17日). “What We Miss” (英語). The New York Times. 2021年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ2023年9月5日閲覧。
  9. ^ Vanderbilt, Mike (2016年7月21日). “The mystery of the phantom Billboard hit, 'Ready 'N' Steady', is finally solved” (英語). The A.V. Club. 2017年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ2023年9月5日閲覧。
  10. ^ England, Rachel (2019年11月15日). “GitHub will store all of its public open source code in an Arctic vault” (英語). Engadget. 2019年11月15日時点のオリジナルよりアーカイブ2023年9月5日閲覧。
  11. ^ Look inside the doomsday vault that may hold the world's most important data” (英語). NBC News (2017年6月7日). 2017年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月5日閲覧。
  12. ^ "Library Reports on America's Endangered Silent-Film Heritage" (Press release) (英語). Library of Congress. 4 December 2013. 2017年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月5日閲覧
  13. ^ Group's rescue of old films preserves glimpse into past”. The Film Foundation/The Columbus Dispatch. August 31, 2018閲覧。
  14. ^ Why”. Deutsche Kinemathek. March 25, 2013閲覧。
  15. ^ a b c d 発掘って何?”. NHK番組発掘プロジェクト通信. 日本放送協会. 2024年6月18日閲覧。
  16. ^ a b c asahi.com(朝日新聞社):「幻の大河」全話が復活 視聴者協力で30年ぶり”. www.asahi.com. 朝日新聞社 (2010年2月9日). 2024年6月18日閲覧。
  17. ^ a b c d e f 中島かずき (2013年5月9日). “テレビドラマ版『同棲時代』、幻の録画テープ発見秘話”. AERA dot. (アエラドット). 2024年6月18日閲覧。
  18. ^ 国産初のテレビドラマのフィルム原盤、61年ぶりに見つかる”. TBS (2018年12月18日). 2020年4月29日閲覧。
  19. ^ “国産初のドラマ原盤発見 TBS、約60年ぶり”. 日本経済新聞. (2018年12月18日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39088110Y8A211C1CR8000/ 2020年4月29日閲覧。 
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  23. ^ Scott, Jessica (2013年9月23日). “Long-term Digital Storage: Simple Steps to Get Started” (英語). History Associates. 2014年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月5日閲覧。
  24. ^ What is emulation?” (英語). Koninklijke Bibliotheek. 2015年10月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月5日閲覧。
  25. ^ Blakeslee, Sandra (20 March 1990). “Lost on Earth: Wealth of Data Found in Space”. The New York Times. オリジナルの9 November 2012時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121109203504/http://www.nytimes.com/1990/03/20/science/lost-on-earth-wealth-of-data-found-in-space.html 24 January 2023閲覧。 

参考文献

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