「常に感謝の気持ちを持って生きていってください」。34歳だった長男は、旅先から自身に宛てた手紙でそうつづっていた。その約2週間後、彼は北海道の海で命を落とした。あれから2年。父親(67)の脳裏からは今も、優しく、ささいなことでも「ありがとう」の一言を忘れなかった息子の姿が消えることはない。【金将来】
千葉県松戸市の会社員、橳島(ぬでしま)優さんは2022年4月23日、知床半島沖で沈没した観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」に乗っていて犠牲になった。「たくさん映像を撮ってくるから、楽しみにしていてね」と言って出発した優さん。しかし家族が次に対面したのは、静かに眠る冷たい体だった。
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