ラブグッズ大好き女子、家賃要求するニート… このオーディションはヤバすぎる!

    バズったもん勝ちのサバイバル。生き残るのはどのアーティスト?

    ミュージシャンたちがネット上でいかに音楽トレンドをつくりだすかを競い合う、新感覚のオーディション「Feat.ソニーミュージックオーディション」が佳境を迎えている。

    ファイナリストに選ばれた6組は、いずれも個性豊かな面々ばかり。一風変わったオーディションの狙いを探った。

    独自アルゴリズムでトレンド計測

    ソニー・ミュージックエンタテインメントは1月から参加者を募集。1000組を超える応募者のなかから、書類と対面による審査で、7月までに6組のアーティストを選出した。

    ファイナリスト6組には、300万円を上限にトレンドづくりに必要な予算やスタッフなどがソニーミュージックから与えられる。

    一口にトレンド、バズといっても客観的に評価するのは容易ではない。

    ソニーミュージックは、ネット上の反響を分析する独自のアルゴリズムを開発。Twitter、YouTube、インスタグラム、Facebookのほか、音楽ストリーミングサービスやライブ配信アプリなどでの盛り上がり具合も測定し、毎週ランキングを発表している。

    単に話題になればいいわけではなく、音楽に関するトレンドでなければ評価の対象外だ。批判や非難ばかりの「炎上」も弾かれる。開発したアルゴリズムは、オーディション終了後もマーケティングツールとして生かしていくという。

    個性派ぞろいのファイナリスト

    個性派ぞろいのファイナリストたちについても紹介しておこう。

    「へんてこポップクリエイター」を自称する、あさぎーにょはYouTubeのチャンネル登録者数が25万人を超え、Twitterフォロワーも4万人以上いる。

    タグについたQRコードを読み取ることで、新曲を聴くことができるパジャマを考案。インフルエンサーを集めて記者会見を行い、30秒で完売させるなど話題を振りまいている。

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    ドアノブロックのボーカル「セックスフラペチーノ」の夢は、大人のおもちゃ屋を開業すること。新宿・歌舞伎町のアダルトショップに通い、ロックフェスで乳首をさらけ出すなど名前を裏切らない奇抜なキャラの持ち主だ。

    原宿の竹下通りなど都内各地で、コンドーム付きのバンド情報のチラシを配り歩くという暴挙に出て注目を集めた。

    【ショートMV原宿編】 「ドアノブロックと宇宙人の超ゲリラ大作戦~コンドーム300個を配りきれ」の様子から「プラスチック隕石」のShort Music Video公開! #原宿 #竹下通り #ゲリラ #ライブ #宇宙人 #変態 #コンドーム  #ドアノブロック #にとっての #阿波踊り #総踊り中止 #じゃない https://t.co/kfWVdM8hXh

    葉山柚子はライブ配信アプリ「UpLive」で43万人、「17 Live」で8万9千人のフォロワーを持つ。

    オーディション期間中に日本一周の旅に出て、その模様を配信。ファンを増やしている。

    夜中出社集団は、ボーカル3人、プロデューサー2人、DJ(おばけ)1人という異色のユニット。元々は「ブルーフラミンゴ」というアカペラグループだったが、名前もコンセプトも一新した。

    「平成最後の夏休み」の思い出を収めた動画を募集し、ミュージックビデオの特別バージョンをつくろうとしている。MVは新宿の街頭ビジョンなどで流すという。

    平成の夏が終わる。 訪れるはずだった青春は、ぼくらを横目にあっけなく過ぎ去った。 海に花火にBBQ、そして夏祭り、そこに理想のあの人はいただろうか。青春の夏はあったのだろうか。 これが「本当の」平成最後の夏休み。 #夜中出社集団 https://t.co/R8BbRJfa5V https://t.co/sMk1sOnMW1

    「孤高の宅録ニート」を名乗るSUKISHAは、自宅の家賃やプレステ4をソニーミュージックにタカろうとして却下されるなど、クズっぷりをいかんなく発揮している。が、楽曲のクオリティーはめっぽう高い。

    卵納豆乗っけライス」「感謝の正拳突き」などポップでナンセンスな楽曲から、涙なしで聴けないバラード「恋する幽霊」まで、バラエティーに富んだ豊かな音楽性は大きな武器だ。

    YouTubeでこの動画を見る

    Hiroyuki Ikezawa / Via youtu.be

    【MV】SUKISHA / 恋する幽霊 (The Ghost in Love)

    KID CROWは米国人の父と日本人の母を持つラッパー。日本語ラップに魅せられ、広告代理店で働きながら音楽活動に取り組む。

    「IT系インテリラッパー」というだけあって、人工知能で作詞作曲したラップを披露するなど、その存在は異彩を放っている。

    #KIDCROW が #AIラップ を初披露👏👏😱 人工知能で作詞&作曲した楽曲をソニーのAI勉強会にて300人の前で初ライブ!🎤🎤 #featソニーミュージックオーディション #HiphopxAI #SONY #AIでトラック制作 #日本語ラップ https://t.co/15QHzd5P0q

    従来型オーディションの限界を突破

    なぜこのようなオーディションを企画したのか。EPICレコードジャパンの梶望さんはこう語る。

    「いままでのオーディションにおける既定路線であった、オーディション→事務所所属→レーベルからのデビュー、という図式を望まないアーティストも登場してきました」

    「こういったアーティストにも参加してもらえるようなオーディションをつくってみたらどうなるだろう?ということが基本コンセプトになってます」

    梶さんが担当する宇多田ヒカルや小袋成彬をはじめ、高いセルフプロデュース能力を持つアーティストは少なくない。いまや、そうした能力がブレイクのための必須条件になりつつある。

    そんな時代に「賞金をあげる」「デビューさせてあげる」という昔ながらのお仕着せ的なオーディションを繰り返すだけでは、アーティスト側にも魅力を感じてもらえない。

    だからこそ、オーディション名にも「Feat.(フィーチャリング)」と冠した。あくまでも主役はアーティスト、という思いゆえだ。

    「いままでのオーディションのような上から審査をする立場ではなく、参加してもらうアーティストがより高いパフォーマンスを発揮できるよう、応援する立ち位置で企画を立ち上げました」

    オーディションは今後、9月中に最下位のアーティスト1組が脱落。10月9日にZepp ダイバーシティ東京で残り5組のライブがあり、グランプリが決まる。優勝者には、300万円以内で実現可能な「夢への応援券」が贈られる。

    オーディションの途中経過はGYAO!の音楽リアリティー番組「Feat. ソニーミュージックオーディション」で見ることができる。