いつもの週末を“バケーション”に! 専門家に訊く、リフレッシュのためのヒント

休暇で得た幸福感を、日常に持続させる5つのコツ。
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Michael Houtz; Getty Images

まず最初に、有給休暇は使い切るのが好ましい。休みを取った後の社員はよりクリエイティブなマインドになり、それがひいては仕事の成功につながるという研究もある。休暇は、生産性アップや仕事の満足にも関係するといわれる。ある調査によれば、社員の46%は有給を使いきれていないというが、もしあなたがその中のひとりならば、いますぐ有休消化を最重要課題に設定すべきだろう。

一方で、休暇後の幸福感は2週間しかもたないという研究もあり、その後は幸福度は旅行前の状態へと戻るという。休みをとってバケーションに出かけるのは、コストも高く、頻繁にできることではない。アメリカの平均的なフルタイムの会社員の年間有給日数は8日から15日だというから、けっして多くはない。

燃え尽き症候群の予防として、そしてメンタルヘルス全体の戦略として、バケーションの要素を日常生活、とくに週末に盛り込むのは効果的だと専門家が『GQ』に教えてくれた。『Happier Hour』の著者で、カルフォルニア大学ロサンゼルス校アンダーソン・スクール・オブ・マネジメントで行動意思決定論を教えるキャシー・モギルナー教授は、参加者を2つのグループにわけたある研究について語ってくれた。

1つ目のグループには、週末をバケーション中のように過ごすようにと指示された。もう1つのグループは通常通り過ごすようにと指示された。どちらのグループの幸福度が高かったか、予想するのは簡単だろう。実際、バケーション気分のグループの人たちの方が、その幸福度は著しく高かった。では、通常の仕事をしながら、日常にバケーションモードを盛り込むにはどうすればいいのだろうか? 5つのヒントをチェックしていこう。

1:ルーティンから外れる

バケーションがバケーションたる理由は、どこか新しい場所にいくという点が大きい。周りの環境が完全に変わることで、日々のルーティンにとらわれなくなるのだ。「人間とは、珍しいもの、真新しいものを探す生き物です」。そう語るのは『The Emotional Life of Your Brain』の著者で、心理学者リチャード・デイヴィッドソン博士だ。しかし、彼は、真新しさのために旅に出る必要はないという。週末にいつものルーティンから外れた行動をすることで、退屈な時間を打破できるからだ。

ただし、これを実現するには、意識的に努力する必要がある。車で数時間の距離にある場所でハイキングをしたり、街を散策するのもいいだろう。ただし、事前に計画を立てておかねば、土曜の朝はすぐにやってくるし、どこにいくかを考えているうちに疲れてしまい、またいつもの家でダラダラする週末になってしまう。ならば、住んでいる場所に近いちょっとしたお出かけ先も、遠方に旅行に行く前と同じように事前に計画しておこう。また、旅行モード発動は週末まで待つ必要はない。例えば、毎週木曜日には初めてのレストランで食事をするというミッションを自分課すのもいいだろう。

2:すべきことは平日に

モギルナー教授によると、2つのグループ間には明らかな違いがあった。それは、バケーション気分で週末を過ごしたグループは、洗濯や庭の手入れ、家の片付けなど、日常のタスクを週末にしなかったのだ。家事や雑用など、“しなければいけないこと”は、なるべく平日に済ませておくのがおすすめだとモギルナー教授はいう。そうすれば、週末をリラックスタイムとしてフルで開けておけるからだ。

週末を開ける方法として、家事を外注する(ハウスクリーニングやクリーニング、食料品のデリバリーなど)のも手だ。家事関連にコストをかけた人の方が、物理的な買い物をした人よりも幸福度が高いという研究もある。

3:スマホと距離を置く

多くの人にとって、平日の生活は仕事のメールやSlack、Microsoft Teamsのようなコミュニケーションツールとは切り離せないものだろう。それに加え、自分自身のエンタメとしても、友人とのやりとりやソーシャルメディアテクノロジーを利用する。バケーションモードの切り替えには、そうしたテクノロジーからは距離を置くのが好ましい。デイヴィッドソン博士は「バケーションとは、デジタルルーティンから抜けることも含まれます」という。

4:外に出る

『Build the Life You Want』の著者であり、幸せを科学的に研究するハーバード大学のアーサー・ブルックス教授は、バケーション気分に浸るベストな方法は、外に出ることだという。「森の中や地域の公園を散歩することでストレスが軽減され、クリエイティビティが底上げされ、気分が向上するというのは、科学的にも明らかになっています。地中海のビーチに行かなくてもリラックスできます。端末を持たずに外にでて、自然の中で時間を過ごしてみてください」

5:寝室での時間を大切に

モギルナー教授がチームメンバーとともに研究結果を見ていて気付いたことがあるという。それは、バケーション気分のグループの人たちは、もう一方のグループよりも寝室で過ごした時間が長く、セックスも多かったということだ。これは、バケーション気分らしい結果だと言えるだろう。

このことから、休養とリラックスを日常により取り込んでいくのは、遠いところへ無性に行きたくなるような、燃え尽き症候群の低減につながるとわかる。「向き合い方次第で、同じ場所にいても気分は変わるものです」とブルックス教授は語る。これには、モギルナー教授もデイヴィッドソン博士も同意見だ。

あなたは有給休暇をとり、バケーションに出かけるべきか? もちろんだ。しかし、有給以上に休息の時間は必要なのだ。そして、その休息の時間をどう使うかはあなた次第なのである。

From: GQ.COM
By Emily Laurence
Adapted by Soko


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