WEDDING / FEATURE

2025年のウエディングドレスは「ドロップウエスト」が鍵に。実は誰にでも似合う、タイムレスなシルエットの魅力

4月初旬に開かれたニューヨーク・ブライダル・ファッション・ウィーク中、数多くのブランドのコレクションで見られた「ドロップウエスト」。2025年最大のウエディングドレス・トレンドとして熱視線を集める、タイムレスなシルエットの魅力にクローズアップしよう。

レイン 2025年春夏コレクションより。

Photo: Courtesy of Lein

どの時代にも、アイコニックなウエディングドレスのスタイルがある。例えば1950年代、花嫁たちの間では、ディオールDIORの「ニュールック」にインスパイアされたフルスカートやミディ丈のドレスが人気を博したが、1980年代になるとダイアナ元妃が纏った一着のようなボリューミーなデザインが主流に。90年代に入るとミニマリズムが台頭し、2000年代初頭はボヘミアンの波がブライダルシーンにも押し寄せた。

そして今、これからの一年を決定づけるであろうひとつのシルエットが浮上している。4月初旬に開かれたニューヨーク・ブライダル・ファッション・ウィークの至る所で登場した、ドロップウエストだ。

2025年のウエディングドレスを決定づける「ドロップウエスト」

ダニエル フランケルによる「Maeve」ドレス。

Photo: Courtesy of Danielle Frankel

ブライダルファッション界において、このトレンドに火を付けたデザイナーとして真っ先に名が挙がるのは、ダニエル フランケル(DANIELLE FRANKEL)。彼女はドロップウエストについて「身体をすらりと見せ、ウエストでカットオフするよりも上半身のラインをより美しく見せることができます」と説明する。ちなみに彼女の一押しは、手描きの花柄とメタルファイバーを使った「Maeve」ガウンだという。

昨年10月のブライダル・ファッション・ウィークでもドロップウエストは頭角を現し始めていたが、今年4月のショーやプレゼンテーションでは至る所で見られ、その注目度が高まっているのは明らか。今シーズン、30以上のブランドを見て回ったが、このスタイルを扱っていないコレクションを見つけるのは困難だったほどだ。コルセット、ペプラム、バスクウエストなど、デザイナーそれぞれの方法でオリジナリティを追求したルックも多数見受けられた。

「このシルエットは、花嫁たちに伝統的なスタイルとはひと味違う選択肢を提供し、これまでとは異なる新しいものを受け入れるチャンスを与えていると思います」と話すのは、デザイナーのアンドリュー クォン(ANDREW KWON )。彼は新しいデザインを探求するなかで、すらりと滑らかで美しいシェイプを作ろうとした結果、ドロップウエストに辿り着いたそうだ。

誰でも叶えられる、すらりとしなやかなボディライン

Photo: Courtesy of Andrew Kwon
Photo: Courtesy of Nadia Manjarrez

過去数回のコレクションでこのシルエットを提案してきたナディア マンジャレス(NADIA MANJARREZ)は、このルックがいかに万能であるかを強調する。「ドロップウエストを使うのが好きなのは、女性の背を高く見せてくれるからです。人々が思っているのとは反対に、ほとんどの体型に似合うとも感じています。また、ボディスのテクスチャーやドレープで遊ぶことができるのも、デザインをする上で気に入っているポイントです」

その人気は、セカンド、そしてサードルックとお色直しを希望する人たちの増加とも結びついている。なぜなら、ドロップウエストのコルセットなら、フルスカートからミニドレス、そしてパンツへと簡単に着替えることができるからだ。マンジャレスの「Olga」ガウンは一見するとドロップウエストのように見えるが、下に重ねたチュールスカートを取り外せば、ミニドレスとして着用することも可能だ。

Photo: Courtesy of Lein

今、ドロップウエストはトレンド入りをしているかもしれないが、レイン(LEIN)のデザイナー、メレディス・ストークラインは時代を超越したものだと主張する。「ドロップウエストのウエディングドレスは、何世代にもわたって受け継がれるエレガンスと洗練さを備えています。バスクウエストからランバンLANVINの『ローブ・ド・スタイル』まで、プロポーションで遊ぶことで女性のボディラインを強調するようにデザインされています。体型を選ぶものだという俗説もあると思いますが、私はそうは思いません。重要なのは、ウエストが絶妙な位置にあることです。高すぎても、低すぎてもいけないんです」

ストークラインは、このスタイルの魅力を確信している。「結婚式の当日、このドレスを纏う花嫁たちは、それがどう見えるか、どんなふうに写真に映るかを心配することなく、美しいと感じることができるでしょう」

Text: Shelby Wax Adaptation: Motoko Fujita
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