カスタマーレビュー

2024年7月2日に日本でレビュー済み
「支配」と「支配されるもの」の思惑が交錯するサスペンス小説。

以下、読了後の感想。

誰かを「支配する」ということは、近い将来、自分が誰かに「支配される」運命が待ち構えていることである。そもそも、誰かを「支配する」こと自体、既に自分が誰かに「支配されている」結果なのかもしれない。そして、ある種、支配者は対象者に「依存」してしまい、「支配欲」と「自己承認欲求」が比例関係になってしまうのであろう。

果たして、対象者は「自分が支配されている」ことに「本当に気づいていない」のであろうか。無論ほとんど「気づいている(何かの拍子で気づく)」のである。しかし、対象者の支配者に対する気持ち一つで「現状の受け入れ方」「今後の行動」が変化する。

支配するということは、支配者は対象者を軽視していることである。裏を返せば、「対象者の技量」を見誤っている危険性を有している。そして、見誤った誤差が大きければ大きいほど、ミイラ取りがミイラになる未来がやって来るのである。
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