カスタマーレビュー

2013年8月11日に日本でレビュー済み
これは、予想以上に面白く読みやすい本でした。
中国については、「ある日、戸をたたくものがいるので、開けると、そこには巨人が立っていた、という風情で、世界のバランスをすっかり変えてしまったのだ。」 アメリカ人については、「個人が自己完結しているとでも言おうか、一人ひとりが自力で店を張っている緊張感がある。」 プーチンが支持されている理由は「ロシアの大衆にとっては、留学帰りの青二才たちが持ち帰った民主主義は、混乱と犯罪の横行と同義語である。」などなど、卓抜な譬喩や警句が散りばめられていて、ついつい読み進んでしまいました。
戦後世界の正体は、「ドルの海に浮かぶ」経済だそうですが、日本人は「日本製品が優れているとか、日本人は手先が器用で勤勉だから、とかうぬぼれたが、実際にはアメリカというお釈迦様の掌の上で飛んだり跳ねたりしていただけなのである。だから、『冷戦のは敗者はソ連、そして日本だ』と世界で冷笑されているのだが、そのことを日本人は知らないのだ」という調子で続きます。
最終章の「自主防衛か同盟か」の結論は、平凡といえば平凡、当たり前の結論ですが、それに至る過程で、中国と組むのか、をはじめ、いろいろな可能性を面白おかしく検討したうえでの結論ですので、ストンと腑に落ちました。
一読をお勧めします。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート 常設リンク