コエンザイムQ10は年齢とともに自然に生成する能力が衰え始める。コエンザイムQ10を摂るメリットについて、この分野の専門家であり、サプリメントブランド「DoSe」のクリエーターであり、英国を拠点としたウェルネスと美容の小売業者「Victoria Health」の共同創設者である薬剤師のシャビア・ダヤ(Shabir Daya)氏に話を聞いた。
コエンザイムQ10(CoQ10)とは?
コエンザイムQ10(CoQ10)は、私たちの体のすべての細胞に自然に存在する抗酸化化合物。Daya氏によると、「体の成長と維持に必要なエネルギーを生成する責任を負う化合物のひとつです」だという。
コエンザイムQ10は何に作用するのか?
ダヤ氏は、「マグネシウムとともに、アデノシン三リン酸(ATP)の生成に使われます。ATPは、化学反応、修復、成長、そのほかのプロセスに必要なエネルギーを細胞に供給します」と説明。加えて、ATPは強力な抗酸化物質でもあり、これらのプロセスによって生成されるフリーラジカルから細胞を守り、遺伝物質を損傷から保護する。
コエンザイムQ10の利点とは?
コエンザイムQ10が最も多く含まれているのは、心臓、肝臓、腎臓、膵臓。これらの腺は代謝とエネルギー要求量が高いため、より多くのコエンザイムQ10を必要とするのだ。コエンザイムQ10はまた、適切な筋肉機能を促進する。これは、体内の全組織の血液循環と酸素供給を改善する穏やかな血液サラサラ作用によるものだと見られる。そしてコエンザイムQ10は、最大の臓器である肌にも必要不可欠。「肌の健康的な細胞成長を維持し、フリーラジカルから皮膚を守り、紫外線による光老化から肌を保護するのに役立つのです」とダヤ氏は語る。
コエンザイムQ10の効果とは?
- 体全体の細胞を酸化ストレスから保護する。
- 光老化や早期老化から肌を守り、コラーゲン生成を刺激し、しわを防ぐ。
- 偏頭痛を和らげる可能性がある。
- 心臓活動に必要なエネルギーの生成を促進することで心臓病を予防する可能性がある。
- 神経系と脳に対するフリーラジカル保護作用により、神経変性疾患を予防する可能性がある。
- 疲労と闘い、筋肉痛を軽減するため、アスリートに有益な可能性がある。
- 歯周病の緩和に役立つ可能性がある。
- 不妊症の治療に役立つ可能性がある。
- 特定の種類のがんを予防する可能性がある。
コエンザイムQ10の禁忌事項
- 高用量(1日100mg以上)では、吐き気や下痢を引き起こす可能性がある。
- 妊娠中や授乳中の使用は推奨されない。
- 一部の薬剤の作用に干渉する可能性がある。
コエンザイムQ10サプリメントは摂取するべき?
人間の体は自然にコエンザイムQ10を生成するものの、ほかの多くの化合物と同様に、この栄養素の生成能力は年齢とともに低下してしまう。40歳に達するころには、若いころの半分のレベルにまで低下していると言われている。肉や魚などの食品には微量のコエンザイムQ10が含まれているとは言え、体内のコエンザイムQ10の量は年齢とともに劇的に減少しているのだ。
ダヤ氏は、「コエンザイムQ10を枯渇させ、しばしば筋肉痛を引き起こすスタチンを服用している人には、還元型コエンザイムQ10のサプリメントを推奨します。また、コエンザイムQ10は酸化ダメージから肌を守るので、40歳以上の方、エネルギーレベルが低い方、健康な肌を保ちたい人、早期老化から肌を守りたい人にもおすすめします」と語る。
Text: Alessandra Signorelli Adaptation: Sonia Kanazawa
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