「子どものころ、母は私たちを寝かせると、いつも一人でお風呂にこもって考え事をしていました。そんな母を見てきたせいか、私も大人になってから少しでもストレスを感じたら、お風呂に長時間こもって内面をリセットするようになりました。素晴らしい香りのオイルとキャンドルを用意して、最低でも目を閉じて20分ほどただリラックスするだけ。そして、お風呂から出たらセリフを覚えたりやらなくてはならないことをします」
2023年、イギリスの「womenshealthmag.com」のインタビューでこう語ったイギリス・ベイジングストーク出身の俳優エリザベス・ハーレイの代表作、といえばちょっぴり下品なギャグ満載のスパイコメディ映画『オースティン・パワーズ: インターナショナル・マン・オブ・ミステリー』(1997) 。マイク・マイヤーズ演じる女王陛下の諜報部員にして”モテモテファッションフォトグラファー”オースティン・パワーズの相手役の“スーパートップモデル”ヴァネッサ・ケンジントンを演じ、見事なコメディエンヌぶりを見せつけた彼女は、その後も『悪いことしましョ！』(2000) 、ドラマ「ゴシップガール」（2011）など多数の映画やテレビドラマに出演し、一躍世界のトップ俳優の仲間入りを果たした。
直近の息子ダミアンの監督デビュー作『Strictly Confidential』（2024）では、その美しい肢体を披露し、さらには息子の前で大胆なセックスシーンを演じたことで世界を騒然とさせた。一方で、モデルとしてエスティ ローダー （ESTĒE LAUDER）の顔を13年間務めるなど、名実ともにセレブリティとしての地位を揺るぎないものにしている。
前向きなメンタルの秘訣は、丁寧な”セルフケア”
「長時間撮影のセットで過ごした後は、とにかくリラックスしたいもの。私は、セルフケアを優先してきた母のおかげで若いころからその大切さを熟知していました。特に女性の場合は、子育てや家事など常に他人の世話をすることが多いので、自分をないがしろにしてはいけないと思っています。まずは自分自身を大切にしないと、ほかの人の世話をすることもできないのですから」
こう語る彼女は、俳優である以前に一人息子の母親として、神経がすり減らないよう常に自分自身のケアを怠らず、前向きなメンタルをキープすることに努めてきた。また、演じるキャラクターからも自己愛の育み方を学ぶことが多いという彼女は、特に子を持つ母親は自分を大切にする事を優先することに罪悪感を感じてはならない、と続ける。
「私たち女性は、常に自分自身をのケアを”やらなければいけないことリスト”の最下位に置く傾向があり、特に子育てをしている間は尚更です。ですが、母親が自分のケアを優先することは、決して子どもを蔑ろにすることではありませんし、自己満足でもありません。だからもし、自分のための時間を取ることに罪悪感を覚えるなら、それは間違いです」
とは言いつつも、自身も“言うは易く行うは難し”──こう続ける彼女は、敢えて意識してセルフケアの時間を取ることが大切だと語る。
怪我で得た思いがけない学び
そんな彼女は、2022年初頭に足首の靱帯断裂により、各方面に大きな支障をきたした事を明かした。その時、満足に歩くことができず不自由になってしまった自身の身体を通じてこんな学びを得たという。
「撮影中最後の2週間は、すべてのシーンを座って演じたり、移動の際は人の手を借りるのはもちろん、ときには車椅子を使わなければなりませんでした。実際、足首は今も完治したわけではないので、手術が必要になるかもしれませんが、そうなったらまた3カ月間は立ち上がることすらできないでしょう。だから私は、この怪我でメンタルが下がるのではないかと思っていましたが、意外にもこれを機にさまざまな障害を抱えて生きる人の気持ちが本当によくわかるようなったのです。そして、怪我がもたらした新たな気づきのおかげで信じられないほど謙虚になり、些細な人の優しさにも敏感になったのです」
本当に、人は経験してみないとわからないことがたくさんある──こう続ける彼女は、普段から想像力を働かせて他人を思いやることがいかに大切か、この時初めて気づいたと言う。
健全な肉体と健全な精神を保つために
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
この怪我以降、セルフケアの最優先事項に新たに”健康”を加えたという彼女は、同年2月にリハビリを兼ねてオーストリアを訪れ、自身の体と生活サイクルについて見直したことをインスタグラムで明かした。
「私は、オーストリアで素晴らしく有益な一週間を過ごしました。滞在中は自分の消化器官を意識する食生活を取り入れ、これまで以上にストレスにうまく対処する方法を学び、撮影で負った体のさまざまな怪我のケアに務めました」と語る彼女が訪れたのは、ニコール・キッドマンやケイト・モスらも通うクリニック＆ヘルススパ『VivaMayr』。滞在中はコーヒーの量を減らし、よく噛むなどの健康的な食生活やストレッチ等の運動を取り入れながら、規則正しい生活を続けていたところ、特にダイエットしていないにもかかわらず体重が落ちやすくなり、メンタルがより前向きになるなどの”副産物”を得たという。同時に、基本的な生活サイクルの見直しがこの先の人生を有意義に過ごすための鍵となることを確信した、とも。
Instagram content
This content can also be viewed on the site it originates from.
2024年5月に息子ダミアンが撮影した、「エリザベス・ハーレイ ビーチスイムスーツコレクション」のヴィヴィッドなカラーのビキニを纏い、“メンタル＆肉体改造”の賜物である美しい肉体とヘルシーな笑顔を見せつけた彼女のインスタグラムには、「いくつになっても美しいものは美しい」「こんな姿を見ると、歳を重ねることも悪くないと思う」「美しさに年齢は関係ない」等々、20代の若者からの賞賛コメントが殺到。予想を上回る反応に驚きと喜びを隠せないと語るエリザベスは、衰え知らずの健康美をキープするための哲学についてこんなふうに語っている。
「私は今、以前よりずっと元気で健康的だと思っています。だから今後も食生活に気をつけながら、適度な運動も忘れず、常に自分史上最高に健康でいたいと思っています。同時に、日常のあらゆる事から新たな気づきを得て、頭を働かせて学び続けることも重要なこと。健康とは、失ってみて初めてその大切さがわかる人間の大切な財産です。人生も折り返し地点に差し掛かったので、今後はますます規則正しい生活サイクルの維持のため、専門家のアドバイスを得るなどして可能な限り健康をキープしていきたいと思っています」
参考文献＞
https://www.womenshealthmag.com/health/a42166365/elizabeth-hurley-self-care-wellness-routine
https://uk.style.yahoo.com/news/elizabeth-hurley-felt-slug-suffering-200000548.html
https://www.womenshealthmag.com/health/a46905405/elizabeth-hurley-weight-loss-health
https://au.lifestyle.yahoo.com/elizabeth-hurley-shares-holistic-health-171100312.html
https://parade.com/news/elizabeth-hurley-born-to-wear-bikini-paradise-may-2024-photos
Text: Masami Yokoyama Editor: Rieko Kosai
